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古文書概論その5

江戸時代の古文書の種類

江戸時代の古文書の種類

種類 伝達関係 書き方
支配関係 幕府↔領主↔役人↔名主 直筆で候文 法度(法令)、高札(掲示板)、宗門人別帳(戸籍)、通行手形(パスポート)、(名主から役人へお願い)、村明細帳村入用帳、御用留(名主の御用に関するメモ)など
権利関係 個人間 金子証文(領収書、レシート)、離縁状、養子縁組契約状など
私的関係 直筆で口語文または候文 日記、覚書(メモ)、遺言、家訓、私信など
生活 版元→大衆 刷物(印刷物)で口語文 伊勢暦(カレンダー)、お札、おまじない、手習い(百姓往来女大学)、育児書など
娯楽 小説、かわら版(新聞)、はしか絵鯰絵ルポ浮世絵旅行マニュアル、料理本、植物図鑑など

解説

江戸時代の古文書といっても多種多様です。古文書の学習を始める前に、江戸時代にはどんな古文書があるのか、全体像をつかみましょう。

分類にあたって私は、江戸時代の平均的な村の本百姓Aさんを想定。彼が間接的に関わる文書や、村や地主から借りて読むことが可能であろう書物(昔は書物は個人で買うのではなく廻し読みが基本)を思い浮かべて列挙。そうしてまとめあげたのが上の表です。

思いかげず江戸時代と今現在と文書を取り巻く環境に余り変わりがありません。

法令、パスポート、領収書、離縁状から、日記、カレンダー、小説、新聞、料理本、図鑑…。現代にある文書や書物は、江戸時代にほぼ出揃っていることが上の表でわかっていただけると思います。

何が違うかといえば、ですますか候文か、活字かくずし字かという、「書き方」が違うだけです。

それでは解読するのに、一番難易度が高い文書は何だと思われますか?答えは私的関係の文書。個人の日記だとか手紙というのはいうのは、何が書かれているのか当てがつかず、乱文の場合も多く難しいです。

これと対象的なのは、支配・権利・生活関係の文書。例外もありますが、公的関係や暦というのは、現在と同じく、わりと定型文書なのでフォーマットさえ覚えてしまえば、あとは応用みたいなところがあります。

娯楽関係も当てがつかないのですが、これらは版元が文字が苦手な人にも手に取ってもらえるよう、工夫をこらして商売している分、漢字には振り仮名付きのものも多く比較的読みやすいです。

  

古文書概論

1.古文書(こもんじょ)とは/2.古文書の特徴/3.文字の種類/4.文字の書き方の歴史

5.江戸時代の古文書の種類/6.最初に覚えること/7.くずし字の覚え方/8.学習方法その1

8.学習方法その2/9.古文書の魅力/10.古文書資格取得/11.古文書を読む猫/12.古文書判定

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