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村明細帳5

村の建造物 圦樋、城跡、御巣鷹山の有無

村明細帳』から、圦樋、城跡・御巣鷹山の有無を読み解きます。

史料

圦樋、城跡、御巣鷹山_村明細帳5

※無断転載禁止

解読文

原文

  • 一 圦樋[1]壱ヶ所四ツ谷御上水分水仕、呑水田用水相用申
  • 一 城跡無御座候
  • 一 御巣鷹山[2]無御座候

右之通、相改書上申出候処、少茂相違無御座候、以上

文化十三子年六月/多摩郡大沼田新田 名主 弥左衛門/年寄 伝兵衛/百姓代 伝右衛門

小野田三郎右衛門様 御役所

現代語訳

には圦樋(いりひ)は一カ所あり、これで四ツ谷御上水(玉川上水)の水を引き入れ、飲水や農業用水に使っています。城跡はありません。狩猟用のを繁殖させるための御巣鷹山もありません。

右の通り、改め書き上げたこの村明細帳には少しも間違いはございません。

文化十三年(1830)六月、多摩郡大沼田新田(東京都小平市)名主 弥兵衛、年寄 伝兵衛、百姓代 伝右衛門より。(代官)小野田三郎右衛門様 御役所へ。

解説

補註

  1. 圦樋(いりひ):川の水を引き入れたり、排水する為に設けられた樋(とい:雨水や用水を流すための管や溝)。
  2. 御巣鷹山(おすたかやま):狩猟用の鷹を繁殖させるために、領主が厳重な保護を加えた村。

くずし字

先頭の一つ書(一行目)に水のくずし字が四つ、二行目の跡のくずし字は難読ですが、古文書ではよく出てくる字体。伝兵衛の伝は異体字(旧字)「」です。

史料情報

  • 小平市立図書館所蔵 當間家文書『村方銘細帳』(D-4-4)
  • 当サイトは同館から掲載許可を頂いてます。
  • ※無断転載を禁止します。

村明細帳

1.概論 2.大岡越前御検地 3.用水、小物成、家数

4.鷹場、御林、水車 5.圦樋、城跡、御巣鷹山

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