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村入用帳6

御用の為の交通費

史料

御用の為の交通費_村入用帳

※無断転載禁止

解読文

  1. 銀九拾七匁五分 三季御年貢上納并人別上納出府入用
  2. 銀拾弐匁 銭弐百文 尾州様御鷹場御用御役人様方御休泊入用
  3. 金壱分 銭弐百六拾四文 年中御用ニ付御役所え罷出候入用
  4. 銀三拾四匁四り 銭弐百七拾六文 年中御用ニ而所々え罷出候諸入用

現代語訳

  1. 銀97匁5分(約121,875円)は、三季年貢上納ならび人別(にんべつ:個人に課せられる税)上納のため、江戸に出るのにかかった費用です。
  2. 銀12匁 銭200文(約17,400円)は、尾張藩鷹場の役人様方が休泊するためにかかった費用です。
  3. 金1分 銭264文(約21,918円)は、一年間の御用のため役所(陣屋)へ行った費用です。
  4. 銀34四厘 銭276文(約46,312円)は、一年間で御用のため所々へ行った諸費用です。

解説

三季御年貢

11.について、幕臣である旗本・御家人の場合、幕府の御米蔵から春(1/4)・夏(1/4)・冬(2/4)の三季に分けて玄米で支給されました。これを史料では三季御年貢と言っています。

尾張藩鷹場

12.について、尾張藩鷹場の役人は、鷹場法度を村の人々を守っているか村を回ったりするのでその為の休泊は村が予め準備します。

御用の為の旅費

11.~14.全体について尾張藩役人の休泊以外は、御用のため江戸や役所等へ行く旅費についての記載です。村が年貢を納めるにも交通費が発生しますが、これは村の負担になります。

史料情報

  • 小平市立図書館所蔵 當間家文書『去戌年村入用帳』(D-5-38)文久三年
  • 当サイトは同館から掲載許可を頂いてます。
  • ※無断転載を禁止します。

村入用帳

1.概論 2. 表紙 3.名主給 4.通信・光熱費 5.勧化・旅僧

6.御用交通費 7.合計額 8.残高 9.差出人 10.宛名 返信

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