くずし字で楽しむ江戸時代の暮らしと文化

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旅行用心集その6

宿の確認事項

史料と解読文

宿のの確認事項_旅行用心集

※無断転載禁止

解読文(枠内)

一 駅舎(はたこや)へ到着(たうちやく)して、第(だい)一に其地(そのち)の東西南北(とうさいなんほく)の方角(ほうかく)を聞定(きゝさため)、

次(つき)に、家作(やつくり)、雪隠(せつゐん)裏表(うらおもて)の口々(くち/\)等を、見覚(みおほへ)置事(おくこと)、古教(ふるきおしへ)なり

近火(きんくわ)、或(あるひ)は、盗賊(とうぞく)又は、相宿(あひやと)に喧嘩(けんくわ)等(とう)ある時(とき)のためなり

現代語訳

一 宿(やど)へ到着して、第一にその地の東西南北の方角を聞いて、家の作りや便所、裏表の出入り口等を、確認しておくことは古き教えである。

これは近所の火事、或は盗賊、又は他の客と泊まり合わせた際のケンカ等の為である。

このくずし字に注目

到着 聞定 家作
到着 聞定 家作
とうちゃく ききさだめ かさく(やつくり)
くずし方が難しいですが「着」は頻出用語です。 「もんがまえ」は上に記してくずすことが多いです。 「家を建てること」「建てた家」の意味。
事 近火
近火
こと きんか(きんくわ)
くずし字というより、記号と化しています。 「近所の火事」の意味。

用語解説

駅舎(えきしゃ):史料では駅舎を旅駕籠(はたごや)の意味で用いてます。旗駕籠とは、宿場で一般の旅行客や武士が食事をし宿泊する施設のことです。

雪隠(せついん):便所、かわやのこと。

相宿(あいやど):同じ宿屋や部屋に他の客と泊まり合わせること。また、その人。同宿。

解説

史料は旅行用心集・道中用心六十一ヶ条の第三条に当たります。今回は現代の私達から見ると一風変わった心得でちょっとびっくりしていしまいますね。

普段は村に守られ、村からほとんど出ることのない生活している農村の人々。彼らがいざ村の外に出て長旅をすることは、閉ざされた世界から解放され、見聞を深める機会を得る半面、自分の身は自分で守らなければいけないことを意味していました。

史料にはそんな江戸時代の背景があります。

  

史料情報

  • 表題:旅行用心集
  • 年代:文化 7(1869)/出所:八隅芦庵/宛所:須原屋伊八外/形態:竪帳
  • 埼玉県立文書館寄託 小室家文書3361
  • 当サイトは埼玉県立文書館から掲載許可を頂いてます。
  • ※無断転載を禁止します。

旅行用心集

1.旅行用心集とは/2.東海道、木曽路Ⅰ/3.東海道、木曽路Ⅱ/4.旅の前日

5.持ち物について/6.宿の確認事項/7.毒虫にはご用心/8.馬、駕籠などの手配

9.夏の食べ物/10.ソリの種類/11.雪かきの道具/12.頭巾や帽子

13.履き物その1/14.履き物その2/15.白澤の図/16.旧国名・日本地図

17.足のツボ/18.旅行用バッグ/19.旅行の持ち物/20.日記の書き方/21.天気予報

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