解説
概要
解読法
- 貫は「〆」の字を当てることがあります。
- 銭貨において、貫の単位きっかりで文の単位にわたらない場合は、例2のように「貫文」と記します。
- 例3の鐚(びた)は、鐚銭(びたせん)の略で主として銭貨を指します。
- 銭一文は「銭(ゼニ)一文」と読みます[註]。
江戸時代の貨幣は、金貨・銀貨・銭貨と三つあり、単位もそれぞれ違い複雑です。銭貨は少額貨幣で、史料は大人社会におけるサービスなどの値段が並びましたが、江戸っ子は当時、これで気軽にお菓子なども買ったことでしょう。
銭貨の単位は貫と文しかなく、やさしいように見えますが、史料例のとおり意外に読みづらいのが特徴。かくして侮らず、上記解読法を押さえておくとよいでしょう。
補註
大槻文彦『新編大言海』(冨山房、1984年)「銭(せん)」1165頁 参照