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鯰絵その1

鯰絵・持丸たからの出船

史料

鯰絵_持丸たからの出船

※無断転載禁止

現代語訳

持丸(もちまる)宝の出船(でふね)

ナマズ

「もし、旦那、あなた、普段あんまり下方の者に厳しく迫り、難儀をさせるから、このような、苦しい思いをなさるのだ。これから心を直して、慈悲・善導を、なさるがよろしゅうござります。」

拾い手

「これこれ、手元の宝は、そんなに欲張るな。まだまだゆっくり拾ってもたくさんだ。いい加減にして、遊郭へ出かけるといい。

そうよそうよ、拾たって、地震でひどい目に逢うといけねえから、遊郭へ行って使ってしまう方がいい。あちこちへの融通になるだろう。」

持丸(=金持ち)

「嗚呼、切ねえ切ねえ、せっかく詰めて拾い貯めたのを、一度に吐くとは馬鹿バカしい。何てことだ、こういうことなら、今まで使えばよかったゲイゲイゲイ~」

解説

江戸時代、地震を描いた瓦版を鯰絵と言います。

江戸時代の人々は、地震に対して、破壊という消極的な捉え方だけでなく、全てをチャラにしてお金を運んでくるという積極的な捉え方もしています。

鯰絵は特にそれが色濃く出ているものが多く、地震を描いているのに何故か異様に明るいのが特徴です。つまり、笑いで地震のつらい思いを吹き飛ばそう!という、とっても前向きな姿勢なのです。

どのくらい前向きなのかと言えば、上記現代語訳の通り、地震が起きた、お金を運んで来てくれた、おっしゃー!遊郭へ行こう!くらい前向きです(笑)。解読文は下に掲載しました。ご参考ください。

  

解読文

持丸(もちまる)たからの出船(でふね)

なまづ

「モシ、たんな、あなた、ふだんあんまり下方の者をつめて、なんぎをさせるから、 このよふな、くるしいおもひをなさるのだ これから心をなほして、ぢひぜんとんをなさるがよろしふござり升

ひろいて

「これ/\、てまへたちは、そんなによくばるな、 まだ/\ゆつくりひろつても、たくさんだ いゝかげんにして、かりたくへ出かけたがいゝ□□(二字欠損)

そふよ/\ひろいためて、ぢしんにひどいめにあうといけねへから、 仮宅へいつてつかつてしまふほうがいゝ、諸方へのゆうずうになるから

持丸

「アゝ、せつねい/\、せつかくつめて、ひろひためたのを、 いちどに、はくとはばか/\しひ、なんのことだ、かうゆふことなら、 いままでつかへばよかつたゲイ/\/\」

史料情報

  • 表題:持丸たからの出船(鯰絵)
  • 年代:安政 2(1855)/形態:一紙
  • 埼玉県立文書館寄託 小室家6363-4
  • 当サイトは埼玉県立文書館から掲載許可を頂いてます。
  • ※無断転載を禁止します。

鯰絵

持丸たからの出船/地震雷火事親父

浮世絵

安政見聞誌

1.安政見聞誌とは/2.地震発生直後の京橋

3.大炎上する深川/4.生きた心地なし/5.吉原の仮宅

6.臨時の遊郭/7.被災した人々/8.倒壊した家々その1

9.倒壊した家々その2/10.供養する寺院

11.国周画・柳島之図/12.立ち並ぶ仮屋/13.余震記録

はしか絵

はしか絵とは麻疹軽くする法麻疹養生心得方

麻疹養生之おしえ痘瘡麻疹水痘[養生法]

はしか童子退治図麻疹養生伝麻疹厄はらひ

錦絵

頼朝上洛図子供あにひ纏固図小和漢獣物大合戦之図百器夜行