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度量衡講座11

銀一貫、一匁っていくら?銀貨の換算

目次

単位銀一貫っていくら?計算式解説

銀一匁っていくら?計算式解説銀一分

計数銀貨一分銀二朱銀一朱銀

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江戸時代 銀貨

丁銀 豆板銀 一分銀 二朱銀 一朱銀
丁銀 豆板銀 一分銀 二朱銀(二朱) 一朱銀
天保八(1837)~ 安永元(1772)~ 文政一二(1829)~
秤量貨幣 秤量貨幣 計数貨幣 計数貨幣 計数貨幣
重量不定 重量不定,丁銀補助 4枚で金一両 8枚で金一両 16枚で金一両

単位

  1. 金貨:両、分、朱
  2. 銀貨:貫、匁、分(重さの単位)/計数銀貨:分、朱(金貨の単位)
  3. 銭貨:貫、文

銀貨

  • 単位:貫(かん)、匁(もんめ)、分(ふん)、厘(りん)、毛(もう)/くずし字
  • 秤量:銀一貫=1,000匁=10,000分=100,000厘=1,000,000毛
  • 計数:金一両=一分銀4枚=二朱銀8枚=一朱銀16枚
  • 銀貨は主に西国で、下級武士・商人が使用。

銀一貫っていくら?

銀一貫は現代で約1,250,000円

計算式

  1. 銀一貫は一〇〇〇匁。/重さの単位参照のこと。
  2. 江戸時代中後期において、金一両は銀貨六〇匁に相当[文献1]。
  3. 金一両は現代で約75,000円。
  4. 銀一貫は、75,000円×1,000匁÷60匁=1,250,000円

解説

江戸時代の貨幣には金貨・銀貨・銭貨の三種あり、貫は銀貨と銭貨の単位で、銀一貫は一〇〇〇匁です。

さて銀一貫というのは、余りに高額な値なので、幕府や大名など相当な身分の間で交わされる古文書ではない限り、村方・庶民レベルの文書でまず見かけることがありません。

よって銀貨の場合、単位は下記「匁」が主流となります。とはいうものの、銀一貫は自動車一台買えるくらいの金額と覚えておきましょう。

銀一匁(もんめ)っていくら?

銀一匁は現代で約1,250円

計算式

  1. 江戸時代中後期において、金一両は銀六〇匁に相当。
  2. 金一両は現代で約75,000円。
  3. 銀一匁は、75,000円÷60匁=1,250円

解説

一匁は千分の一貫。銀一匁は、書籍とかランチ代くらいと覚えておきましょう。

銀一分っていくら?

銀一分は現代で約125円

計算式と解説

分(ふん)は銀貨の単位で、銀一分は十分の一匁です。先に求めた銀一匁1,250円という値から10を割って125円。銀一分というのは、缶ジュース代くらいと覚えておきましょう。

計数銀貨

上記秤量銀貨に対して、定額の計数銀貨は金貨に対しての比率で数える銀貨。実質は銀貨ですが、小判・一分金の下に少額の金貨として発行。幕府の金貨本位政策と貨幣経済進展による少額貨幣需要とにより、計数銀貨が代用されるようになりました。詳しくは江戸時代の貨幣参照のこと。

一分銀(いちぶぎん)

一分(一両の四分の一)相当、すなわち四個で金一両相当。安政五年(1858)の日米修好通商条約後は、金貨流出を補うため流通させましたが、日本の金貨が海外に流出し混乱を助長しました。一分銀=20,000円弱。

二朱銀(にしゅぎん)

長方形の銀貨で、二朱判銀(にしゅ‐ばんぎん)、単に二朱(にしゅ)とも言います。

二朱(一両の八分の一)相当、すなわち八個で金一両相当。二朱銀=10,000円弱。

一朱銀(いっしゅ‐ぎん)

一分(一朱の一六の一)相当、すなわち一六個で一両相当。一朱銀=5,000円弱。

文献

  1. 東京都江戸東京博物館 学芸課展示係 編『図表でみる江戸・東京の世界』(東京都江戸東京博物館、1998年)
  2. 中田祝夫・和田利政・北原保雄 編『小学館古語大辞典』(小学館、1993年)
  3. 日本歴史大辞典編集委員会 編『日本歴史大辞典 第7巻』(河出書房新社、1985年)
  4. 菅野則子・桜井由幾『入門 古文書を楽しむ』(竹内書店新社、2000年)

度量衡講座

1.石高 2.面積 3.石盛 4.石盛と石高を極める1 5.その2

6.重さ 7.駄馬の種類と積載量 8.長さ

9.江戸時代の貨幣 10.金貨 11.銀貨 12.銭貨

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銀貨解読年貢上納交通費御用取締り費用水油とロウソク代