くずし字で楽しむ江戸時代の暮らしと文化

古文書ネット

  1. HOME
  2. 入門講座
  3. 女大学

女大学その4

江戸時代の女性の手習い

史料

女子の手習い

※無断転載禁止

解読文

手(て)ならひ・物(もの)よみの事

手習は、男女とも一生(しやう)の宝(たから)にして、必(かならず)をさなき時に習ふべき也、年(とし)たけては恥(はづ)かしくて習ひえす

殊(こと)に、女は他(た)へ嫁(よめかう)し、或ひは、子持(こもち)などになりては、いよ/\習ふべきいとまもなし

二ツの眼(め)、明(あき)らかに備(そな)へながら、一字(いちじ)一点(いつてん)を読(よみ)えざるは、いと口惜(くちをし)しき事ならずや

夫(それ)のみならず、人づてに、いひがたき事などありても、書(かく)ことならねば悔(くやむ)共詮(せん)なし、外の芸(げい)はともあれ、手ならひ・ものよみは、必(かならず)ならふべき也

現代語訳

手習い・物読みの事

手習は、男女とも一生の宝にして、必ず幼い時に習ふべきである。年をとってからでは、恥ずかしくて習えない。殊に女は他へ嫁ぎ、或いは子持ちなどになってからでは、いよいよ習ふべきいとまもない。

二つの眼を明らかに備えながら、一字一点を読むことができないのは、大変口惜い事ではないか。それのみならず、人づてには言い難い事などがあって、書くこともできなければ、悔やんでも悔やみきれない。

外の芸はともあれ、手習い・物読みは、必ず習うべきである。

解説

女大学の巻頭ページには、挿絵付で6つの項目に分けて、女子が守るべき事柄を記しています。当史料はその第1項目で、手習いと物を読むことの大切さを説いています。

江戸時代の女子にとって学問は、二の次、三の次の扱いかと思いきや、第1項目でその重要性を説いているというのは、女子の地位が低かった江戸時代を鑑みればちょっと意外ですね。

  

史料情報

  • 表題:女大学栄文庫
  • 年代:嘉永 4. 8.(1851)/宛名:山本平吉
  • 埼玉県立文書館収蔵 小室家文書2342
  • 当サイトは埼玉県立文書館から掲載許可を頂いてます。
  • ※無断転載を禁止します。

女大学

1.女大学とは/2.歴史上の女性/3.近江八景と和歌

4.女性の手習い/5.洗濯、しわ伸ばし/6.お稽古事

7.裁縫の仕事/8.髪・化粧/9.子育て/10.身分格差

11.音楽活動/12.結納/13.結婚式/14.安産の秘訣1

15.安産の秘訣2/16.親の教え/17.娘を持つ親の心得

18.見た目より心

サイト内リンク

百姓往来

1.百姓往来とは/2.仁徳天皇の仁政/3.孝(こう)/4.弟(てい)/5.忠(ちゅう)

6.信(しん)/7.耕作の道具/8.年貢の納め方、助郷

荻生徂徠・政談

1.荻生徂徠とは/2.政談とは/3.譜代と出替り奉公人/4.旅宿暮らしの武家

5.武家は田舎に居住すべし!/6.江戸の医者の特徴/7.城下町居住の理由

8.外様と譜代の違い/9.貧困問題について/10.歴史に学べ!

11.貧困を救う道/ 12.金で物を買う将軍/ 13.スピード社会・江戸

14.スピード重視の家作り/15.衣服の制度がない/16.上に立つ者の品格

17.代官とは/18.御徒・与力とは/19.人の器とは