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荻生徂徠・政談その2

荻生徂徠の政談とは

葵

政談とは徂徠が吉宗に献上した意見書

政談は、江戸中期の儒学者の荻生徂徠が晩年、8代将軍・吉宗に求められて献上した、政治・経済・社会の問題点と対策を説いた意見書です。

具体的な内容は次ページから詳しく見ていきますが、政談は、都市江戸に暮らす人々の実体と問題点等について詳しく述べたあとに、幕府の政治はどうあるべきか、どこを直さなければいけないのかを鋭く指摘しています。

また政談は、徂徠が千葉での流謫生活での実体験をもとに都市と農村の違いや都市の問題点を語っているので、他人事として空々しい意見書ではなく、熱と具体性と説得力を持った意見書になっています。

さて政談は前述の通り将軍・吉宗に献上した意見書なので、当時の一般の人々が手にできるシロモノではありませんでした。

しかし政談が何故か流出し、天保年間に入って中西忠蔵の手で出版され、需要があったので、江戸時代末期にかけて数度にわたり出版されました。

江戸中期に見る近代

私が荻生徂徠の政談を読んでふと思い出したのが、スペインの哲学者・オルデカが1929年に著した書、大衆の反逆 (中公クラシックス)です。

この書でオルデカは「都市は人で充満している。家々は借家人でいっぱい。」「密集、充満という現象は、以前にはあまり見られなかった」「いまや突然、群衆が一種の塊となって出現してきた」と現代社会を表現したのですが、これと同じ様なことを徂徠が早くも政談の中で都市・江戸に対して指摘しているのです。

近代化とは良くも悪くも大衆が様々な面で力を持つことと切り離せないと考えるなら、政談を読む限り、明治を待たずとも江戸中期に日本の近代化が既に進行してたと言っても過言ではありません。

政談のテキストについて

次ページから徂徠の政談で江戸の社会問題について具体的に見ていきたいと思いますが、当サイトの政談のテキストは、安政六年刊の政談を底本とした『日本思想大系〈36〉荻生徂徠 (1973年) 』[註1]をもとに当サイト運営者が現代語訳しています。その際、『荻生徂徠「政談」 (講談社学術文庫) 』[註2]も参考にしました。

それでは早速、ページをめくって徂徠が語る辛口政治批判&社会問題を見ていきましょう。

  

補註

註1:吉川 幸次郎, 丸山 真男, 西田 太一郎, 辻 達也 (著)『日本思想大系〈36〉荻生徂徠 (1973年) 』(岩波書店、1973年)

註2:荻生 徂徠 (著), 尾藤 正英 (翻訳)『荻生徂徠「政談」 (講談社学術文庫) 』(講談社、2013年)

荻生徂徠・政談

1.荻生徂徠とは/2.政談とは/3.譜代と出替り奉公人/4.旅宿暮らしの武家

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