解読文
右頁
毛氈(モウセン,carpet.)椅子(イス,Chairs.)枕(マクラ,bolster.)石鹸(シヤボン,Soap.)手巾(テヌグヒ,towel.)袖時計(タモトトケイ,watch.)。毛掃(ケハラヒ,brush.)箒(ホヽキ,broom)墨汁(スミ,Ink)墨汁壺(スミイレ,inkstand.)。石盤(セキバン,slate)石筆(セキヒツ,slatepencil)
左頁
筆切小刀(フテキリコガタナ,penknife.)。紙(カミ,Paper.)筆(フデ,Pen.)定規(ジヤウキ,ruler.)篦(ヘラ,foldingstick.)筆入(フテイレ,pencase.)。机(ツクヘ,table.)封糊(フーノリ,Wafers.)封蝋(フウシロウ,-)。書匡(ホンバコ,bookcase.)燭台(シヨクダイ,candlestick.)
解説
日本語でタオルは手巾(てぬぐい)、ブラシは毛掃(けはらい)、ペンナイフは筆切小刀(ふできり こがたな)、インクは墨汁、ペンは筆、ペンケースは筆入と表記されています。
右頁の袖時計は西洋時計便覧に詳しく、懐中時計のこと。「計」は航海道具で出てきた、寒暖計の「計」と比べるとだいぶ崩れた、くずし字です。最終行の石筆は、石盤に文字や絵を描く時に用いるチョークに似た道具。
左頁の机は、deskではなくtableと英語表記しています。書匡の「匡」は「ただす」と読み、意味はゆがんだものを元の形のとおりに直すという意。同じ様な字で「匣」という字があり、こちらは「はこ」と読み「箱」と同じ意味で用いられます。よって「匡」は「匣」の間違えと思われます。燭台の臺は台の異体字です。
史料情報
- 表題:世界商売往来
- 年代:明治4(1871)/橋爪貫一 著・加藤雷州 画
- 埼玉県立文書館寄託 小室家文書3378
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