くずし字で楽しむ江戸時代の暮らしと文化

古文書ネット

  1. HOME
  2. 解読講座
  3. 世界商売往来

世界商売往来8

外国の文房具 袂時計、毛掃、筆切小刀とは

史料

文房具の名前_世界商売往来

※無断転載禁止

解読文

右頁

毛氈(モウセン,carpet.)椅子(イス,Chairs.)枕(マクラ,bolster.)石鹸(シヤボン,Soap.)手巾(テヌグヒ,towel.)袖時計(タモトトケイ,watch.)。毛掃(ケハラヒ,brush.)箒(ホヽキ,broom)墨汁(スミ,Ink)墨汁壺(スミイレ,inkstand.)。石盤(セキバン,slate)石筆(セキヒツ,slatepencil)

左頁

筆切小刀(フテキリコガタナ,penknife.)。紙(カミ,Paper.)筆(フデ,Pen.)定規(ジヤウキ,ruler.)篦(ヘラ,foldingstick.)筆入(フテイレ,pencase.)。机(ツクヘ,table.)封糊(フーノリ,Wafers.)封蝋(フウシロウ,-)。書匡(ホンバコ,bookcase.)燭台(シヨクダイ,candlestick.)

解説

日本語でタオルは手巾(てぬぐい)、ブラシは毛掃(けはらい)、ペンナイフは筆切小刀(ふできり こがたな)、インクは汁、ペンは筆、ペンケースは筆入と表記されています。

右頁の袖時計西洋時計便覧に詳しく、懐中時計のこと。「計」は航海道具で出てきた、寒暖計の「計」と比べるとだいぶ崩れた、くずし字です。最終行の石筆は、石盤に文字や絵を描く時に用いるチョークに似た道具。

左頁の机は、deskではなくtableと英語表記しています。書匡の「匡」は「ただす」と読み、意味はゆがんだものを元の形のとおりに直すという意。同じ様な字で「匣」という字があり、こちらは「はこ」と読み「箱」と同じ意味で用いられます。よって「匡」は「匣」の間違えと思われます。燭台のは台の異体字です。

史料情報

  • 表題:世界商売往来
  • 年代:明治4(1871)/橋爪貫一 著・加藤雷州 画
  • 埼玉県立文書館寄託 小室家文書3378
  • 当サイトは同館から掲載許可を頂いてます。
  • ※無断転載を禁止します。

世界商売往来

1.概要 2.世界の国名 3.船の構造 4.航海道具 5.武器

6.洋服 7.装飾品 8.文房具

関連記事

印鑑文化見台の足数日記の書き方