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世界商売往来3

外国船の構造 機関外車、罐、縲旋とは

史料

船の構造_世界商売往来

※無断転載禁止

解読文

あり、蒸気(ジヨウキ)ありて。之(コレ)には

  • 煙筒(エントウ,ケムタシ:chimney.)蒸気船の内にある釜の上にたてゝ、煙頭の煙を外へぬくもの
  • 罐(カン,カマ:boiler.)此釜にて石炭を焚き、蒸気をはしらへ機関をはたらかす
  • 機関(キカン,シカケ:engine.)。外車(クワイシャ,クルマ:-)船の左右にありて水をかき、船を進めぬくもの
  • 縲旋(ルイセン:screw.)船の後にうけて之を廻して船を自在す、の両種(シュ)あり又(マタ)帆前(ホマヘ)に於(オイ)ては大中小(タイチウヤウ)の
  • 帆(ホ:sails.)中の社へはるもの、へさきへはるもの、に
  • 檣(ホバシラ:mast.)

解説

明治四年(1871)『世界商売往来』は、最初に世界の国名を紹介し、次に嘉永六年(1853)ペリー来航いまだ鮮明のごとく、外国船の構造を紹介しています。

エンジンは機関(きかん)、蒸気機関を機関外車(きかん-がいしゃ、しかけそと-くるま)、ボイラーは罐(カン,カマ)、スクリューは縲旋(ルイセン)としています。

異体字で船を舩、関をと表記。二行目、煙筒の「筒」の竹冠は、古文書で典型的なくずし方です。

史料情報

  • 表題:世界商売往来
  • 年代:明治4(1871)/橋爪貫一 著・加藤雷州 画
  • 埼玉県立文書館寄託 小室家文書3378
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世界商売往来

1.概要 2.世界の国名 3.船の構造 4.航海道具 5.武器

6.洋服 7.装飾品 8.文房具

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