問題
上の史料・古文書(こもんじょ)をパッと見て、現代の文章の書き方との違いを三つ挙げてください。(制限時間1分)
答え
- 句読点「、」や「。」がない。
- 改行がない。
- 現在使われていない文字(異体字、変体仮名、くずし字)が含まれている。
解説
古文書の特徴は、当該史料に限らず、概ね上記3つ「全て」が当てはまります。
古文書の学習を始める前に、まずこの3つの特徴を頭に入れておきましょう。
さて、現代の文書でも句読点がなかったり、改行がなかったらどうでしょうか。大変読みづらいですよね。あまつさえ、古文書では現代では使われていない文字も入ってきますので、チョーチョー読みづらくなるのは必然。古文書が読める人でも骨が折れること屡々(しばしば)。現代人でスラスラ読める人はビョーキ。(笑)
それでは古文書の読みづらい文章には、デメリットしかないでしょうか。そんなことは勿論ありません。文字がビッシリと詰まった隙間のない文章は、必然的に(1ページ当たりの)情報量が多くなります。
また古文書は、常用漢字や平仮名など統一・限定された文字に縛られることなく、異体字(旧字)や変体仮名など様々な字体を自由に使っているので、そのぶん表現力が豊かです。
個人的には日本の文章の書き方は句読点と改行があり、変体仮名と異体字・旧字体を使う、というのが知的で読みやすく、一番ベスト!だと思っています。明治六年(1873)の算数の教科書がこれをママ実現。大正三年(1914)の夏目漱石『こゝろ』まで進んでしまうと、残念ながら(活字での)変体仮名は見る影もなくなってしまいます。
話が飛びましたが古文書の特徴をしっかり押さえておいていただくと、この先、古文書が読みやすくなるでしょう。
史料情報
- 表題:記録二
- 年代:文政11.10./出所:吉田市右衛門
- 埼玉県立文書館所蔵 吉田(市)家7
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