くずし字で楽しむ江戸時代

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古文書概論7

くずし字の覚え方

はじめに

漢字は中国から輸入した文字、仮名は漢字を元に作られた日本固有の文字。

そのため、これらをくずすと変体仮名と漢字のくずし字、どちらで書いているのか前後関係を見ないとわからないことがよくあります。然しながら現行の平仮名と常用漢字を覚えた時のように、きちんと区別して学習しましょう。

また変体仮名と漢字のくずし字、どちらが簡単ないし難しいとかは特になく、どちらを先に学習しても問題ありませんし、同時並行で学習してもよいです。

くずし字の覚え方 10ヶ条

変体仮名

  1. 変体仮名は、その字体の元となった漢字と一緒に覚るべし。
  2. 変体仮名を習得できたかは、現行の平仮名の元となった漢字がスラスラ言えるかどうかが目安となる。例:あ→安、か→加、に→、ふ→不など。

漢字

  1. 漢字のくずし字の元の字体は、現在使っている常用漢字ではなく「異体字」(旧字)。
  2. 頻出漢字は記号化する。逆にいうと記号化した文字は頻出漢字と心得るべし。
  3. 使用頻度の少ない漢字は、余りくずされないので覚える必要が特にない。
  4. 画数の多い字体は"因数分解"読み。新は立+木+斤、騒は+又+は示+曲+など、思いのほか単純な字体の組み合わせであることに気付くハズ。

解読実践

  1. メールと同じでいきなり本文を読まない。まずはじめに①所蔵元、文末にある②日付③差出人④宛名の四点をもって文書の身元確認を行うべし。
  2. くずし字は読めれば書けなくてもいい
  3. どんな文書であろうが、解読したら必ず現代語訳を作成すること。
  4. その際、古文書には主語がないので主語は自分で考えて補うこと。

解説

えーそんなことか。と言うことなかれ。こちらとしては、二〇数年のノウハウを気前よく無料公開したつもりなのです。そんな歯(よわい)重ねた私は在野で、当たり前のことが何もわかりませんでした。

上記くずし字の覚え方は、教室の受講生がよく躓いてしまう所なども踏まえて作成。古文書が読めるようになるには実際の史料にあたり経験を積んでいくしかないので、くずし字の覚え方に解読実践の項目も設けました。

7.について、所蔵元を明記していない文書は読むに値しません。無断転載?みたいな。私の教室のある埼玉県入間市は、縄文時代のころは大都会だったようでを掘ればやたら縄文土器が出てきますが、そこには九州とか東北からの出土とはまた違った意味があるわけです。古文書も同じです。

さて教室では、受講生に現代語訳を必ず作ってもらってます。くずし字の解読といっても江戸時代語(古典語ないし候文)は、現代語訳を作らないと十中八九意味が通じません。せっかく解読できても意味が通じないと勿体ないです。

また現代語訳を作っている過程で、解読文の間違いも発見できたりして一石二!また、意外と解読より意味を探る方が難しいことに気付かれると思います。

実は上記以外にも独自に見つけた、くずし字の覚え方があります。知りたい方は、教室の受講生になったうえでお尋ねください。(笑)

古文書概論

1.古文書(こもんじょ)とは

2.特徴 3.文字の種類 4.書き方の歴史

5.古文書の種類 6.最初に覚えること

7.くずし字の覚え方 学習法:8.概論 9.具体

10.書けなくてもいい? 11.漢文との違い

12.読む意義 13.資格取得 14.読む猫

15.向いているかな判定 16.学習チェックリスト

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