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証文・手形など

証文・手形類の読み方 闕字、改ざん防止など

通行手形を例に、古文書の証文・手形類を読む際に知っておきたいルールなどについてまとめました。

史料

通行手形

※無断転載禁止

解説

1.表題

史料表題は「差上申一札之事」。同様の表題に変死体の処理の証文があり、古文書おいて表題では内容を確認できない場合が少なくありません。

慣習にしても、何故意味のない表題を付けるのか。つまり文書だけで物事進む時代と、文書+コミュニケーションが必要な時代の違いなのではないかと。江戸時代は勿論メールがありませんし、村の人はそもそも郵便(飛脚)を余り使いません。

文書を渡す時は直接本人に手渡しが基本。そこで文書を読む前にある程度用件を「聴け」てしまう。よって表題に意味がなくても別段支障がなかったのだと推察します。

2.改ざん防止

史料二行目「男五人」の五の上に印鑑が押してありますが、これは数字の改ざん防止です。また史料解読文を作成する場合にも、五(数字)の横に忘れずにと書きます。

3.欠字・闕字(けつじ)

史料四行目の「関所」と「遊」の上には余白があります。古文書では、天皇・貴人に関係した称号や言葉の上に敬意を表す為に、一字または二字分の余白をあけることがあります。これを欠字・闕字(けつじ)と言います。史料解読文を作成する場合にも、史料のとおり空けておきましょう。

4.用語

史料三行目候間(そうろうだいだ)は、"~ので"の意味で超頻出用語なので理屈抜きで覚えておくとよいでしょう。

五行目の可被下候(なさるべく そうろう)は、"ください"の意味で、非常に難しいですが無尽金 借入れ証文など古文書(証文類)においてよく出てくるフレーズなので、これも是非理屈抜きで覚えおくとよいでしょう。

5.文末

「依而如件」(よってくだんのごとし)は、文章を結ぶ際の決まり文句で、特に意味はありません。

7.日付

日付は文末の宛名の前に書かれています。くずし字の覚え方にも書きましたが、古文書を手にしたら、その文書の所蔵元の確認の次に日付を解読します。何故、古文書だってわかったんですか?(笑)…ってことです。

日付の解読方法は十干十二支閏月の頁を参照のこと。

8.差出人・宛名

メールでは宛名が先、差出人は最後に書きますが、古文書では宛名が一番最後です。差出人は宛名の前、日付の左下あたりに書きます。

また史料の場合、名主である差出人より、宛名である箱根御関所の御役人衆中の方が「身分が」上なので、字体を大きくまた丁寧に書きます。宛名だから大きく書いているのではないことに注意しましょう。

  

史料情報

  • 表題:差上申一札之事(箱根関男五人御通行ニ付)
  • 年代:嘉永4.極.19/出所:名主・平重郎/宛名:箱根関所役人衆中
  • 埼玉県立文書館所蔵 飯島家549
  • 当サイトは埼玉県立文書館から掲載許可を頂いてます。
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証文・手形など

通行手形:男手形 解読文,解説・女手形/三行半:離縁状 解読文,解説

人別送り状:銀次郎娘とよ平蔵娘ちよ/奉公人請状:たみ解読文,解説森重郎その1,その2,その3

済口証文:不義密通アルコール依存の息子,その更生と顛末_本文,文末

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