史料
十干の省略
元号〇十二支「年」〇月〇日
例1 | 例2 | 例3 | 例4 |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
文化十二亥年九月廿六日 | 文化十三子年六月 | 文政十二丑年三月日 | 万延二酉年正月日 |
願書_吉田市右衛門 | 村明細帳 | 五人組前書 | 年貢定免請状 |
1815(江戸後期) | 1816(江戸後期) | 1829(江戸後期) | 1861(幕末)。万延(まんえん)の万は旧字の萬。正月=一月のこと。 |
元号〇「年」十二支〇月〇日
例5 |
![]() |
嘉永四年亥極月十九日 |
男手形 |
1851(ペリー来航二年前)。極月(ごくげつ)=一二月。 |
様々な省略
例6 | 例7 | 例8 |
![]() |
![]() |
![]() |
巳八月十一日 | 申十二月 | 安政五年十二月日 |
急廻状請取り | - | 奉公人請状 |
元号、十干省略。 | 元号、十干、日付省略。 | 1858(江戸後期)。干支省略。 |
解説
概要
干支(えと)とは、十干(じっかん)と十二支(じゅうにし)の組み合わせで六〇組あります。
十二支とは昔、年・時刻や方角を表すのに使った、子(ね)・丑(うし)・寅(とら)・卯(う)・辰(たつ)・巳(み)・午(うま)・未(ひつじ)・申(さる)・酉(とり)・戌(いぬ)・亥(い)の総称です。
くずし字解読
史料の日付は全て、十干を省略して十二支を記載しています。十干付きの日付は左記リンク先ご参照のこと。
十干省略十二支入りの場合は概ね、元号○・十二支「年」○月○日と書きますが、上記史料のとおり「年」のあとに十二支を記載しているものもありました。
現代人は年賀状にくらいしか十二支を使用しませんが、昔の人は日付に年を書くときは十二支を記載することが珍しくありません。また上記史料「申十二月」といったように、十二支だけでその年を表す場合も少なくありませんでした。