解読文
原文
右之通、相改書上申出候処、少茂相違無御座候、以上
文化十三子年六月/多摩郡大沼田新田 名主 弥左衛門/年寄 伝兵衛/百姓代 伝右衛門
小野田三郎右衛門様 御役所
現代語訳
当村には圦樋(いりひ)は一カ所あり、これで四ツ谷御上水(玉川上水)の水を引き入れ、飲水や農業用水に使っています。城跡はありません。狩猟用の鷹を繁殖させるための御巣鷹山もありません。
右の通り、改め書き上げたこの村明細帳には少しも間違いはございません。
文化十三子年(1830)六月、多摩郡大沼田新田(東京都小平市)名主 弥兵衛、年寄 伝兵衛、百姓代 伝右衛門より。(代官)小野田三郎右衛門様 御役所へ。
解説
補註
- 圦樋(いりひ):川の水を引き入れたり、排水する為に設けられた樋(とい:雨水や用水を流すための管や溝)。
- 御巣鷹山(おすたかやま):狩猟用の鷹を繁殖させるために、領主が厳重な保護を加えた村。
くずし字
先頭の一つ書(一行目)に水のくずし字が四つ、二行目の跡のくずし字は難読ですが、古文書ではよく出てくる字体。伝兵衛の伝は異体字(旧字)「傳」です。
史料情報
- 小平市立図書館所蔵 當間家文書『村方銘細帳』(D-4-4)
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村明細帳
4.鷹場、御林、水車 5.圦樋、城跡、御巣鷹山