十二支早わかり表
十二支 | 子 | 丑 | 寅 | 卯 | 辰 | 巳 |
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読み | ね/シ | うし/チュウ | とら/イン | う/ボウ | たつ/シン | み/シ |
時刻 | 0時頃(夜半) | 2時頃(鶏鳴) | 4時頃(平旦) | 6時頃(日出) | 8時頃(食事) | 10時頃(禺中) |
方角 | 北 | 北北東 | 東北東 | 東 | 東南東 | 南南東 |
月 | 旧11月・新12月 | 旧12月・新1月 | 旧1月・新2月 | 旧2月・新3月 | 旧3月・新4月 | 旧4月・新5月 |
季節 | 冬至 | 冬土用 (冬の終わり) |
立春 | 春分 | 春土用 (春の終わり) |
立夏 |
相剋 | ↑ 相剋 ↓ |
↑ 相克 ↓ |
↑ 相克 ↓ |
↑ 相克 ↓ |
↑ 相克 ↓ |
↑ 相克 ↓ |
十二支 | 午 | 未 | 申 | 酉 | 戌 | 亥 |
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読み | うま/ゴ | ひつじ/ビ | さる/シン | とり/ユウ | いぬ/ジュツ | い/ガイ |
時刻 | 12時頃(日中) | 14時頃(日昳) | 16時頃(哺時) | 18時頃(日入) | 20時頃(黄昏) | 22時頃(人定) |
方角 | 南 | 南南西 | 西南西 | 西 | 西北西 | 北北西 |
月 | 旧5月・新6月 | 旧6月・新7月 | 旧7月・新8月 | 旧8月・新9月 | 旧9月・新10月 | 旧10月・新11月 |
季節 | 夏至 | 夏土用 (夏の終わり) |
立秋 | 秋分 | 秋土用 (秋の終わり) |
立冬 |
十二支とは
概要
十二支(じゅうにし)は子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥の十二文字からなる、単なる「記号」です。
動物の意味はない?
十二支は表のとおり、ね・うし・とら・う…などと、一般に動物の名で発音。それではこれら動物を漢字で表してみましょう。すると、鼠・牛・虎・兎・竜・蛇・馬・羊・猿・鳥・犬・猪などとなり、十二支本来の表記と全て異なりますね。
何が言いたいのかというと、十二支を「表記」する字体(子・丑・寅…)と十二支を「発音」する際の動物の字体(鼠・牛・虎…)との「混同」にご注意ください。
けだし十二支の各字体の象形について『漢和辞典』よれば、丑の日でお馴染みの丑は「指に力を入れ、曲げて物をつかむ形に象(かたど)る。借りて十二支の第二位に用いる。」 また午は「交互につくきねに象る。杵の原字。借りて十二支の第七位に用いるのは、陰陽が交差する位であるからであろう。」
以上からもわかるように、十二支の「記号」たちに動物としての「意味」など、ほとんどありません[註]。本来十二支は、上の表を見てもわかるように時刻、方角、月などを示すために用いられます。
年の干支
十二支のことを干支(えと)と言ってしまう人がいますがこれも二義的な意味で、干支は一義的には十干(じっかん)と十二支を組み合わせを言います。
- 2023年(令和五)の干支は、癸卯(みずのとう)。十干が癸(みずのと)、十二支が卯(う)。
- 2024年(令和六)の干支は、甲辰(きのえたつ)。十干が甲(きのえ)、十二支が辰(たつ)。
- 2025年(令和七)の干支は、乙巳(きのとみ)。十干が乙(きのと)、十二支が巳(み)。
季節の表し方
現在、十二支はせいぜい年賀状において「年」を表すことでしか用いられません。そもそも年賀状を出さない人も少なくないでしょう。然しながら十二支を使って季節を表すこともでき、例として夏の季節について以下に解説します。
立夏は夏の始めを意味し、十二支で表すと巳月にあたります。もともと立夏は、二十四節気の小満(しょうまん)前日までの約一五日間にあたりますが、現行暦ではこの期間の第一日目を言います。
夏至は、昼が最も長く夜が最も短いです。十二支で表すと午月にあたります。もともと夏至は、二十四節気の小暑前日までの約一五日間にあたりますが、現行暦ではこの期間の第一日目を言います。
夏土用入りからの一八日間の丑の日が土用の丑の日にあたります。十二支の理解を深めるには、土用の概念が欠かせません。併せてご参考ください。
補註
十二支の象形
『漢和辞典』によれば以下のとおり。
- 子:子は頭の大きい特徴で初生児の体を表し、それに両手を添えた形(現在の字体)。もと、子には十二支(子)を表す系統があったが(現在と別字体)、(中略)のちに混用され、「子」が両義を表す。
- 丑:上記参照。
- 寅:矢を両手でのばすさまに象る。
- 卯:一つを同じような二つに切り分けたさま、また、左右に開いた門を象る。
- 辰:殻から足を出した二枚貝の形に象る。
- 巳:神霊とされるへび。また、胎児に象るという。
- 午:上記参照。
- 未:木に若い枝が出たさまに象り、わかい意。借りていまだの意。
- 申:いなびかりが屈曲してはしるさまに象り、のびる・のべる。
- 酉:さけ、または酒つぼ。
- 戌:物を収穫しまとめる意から、陰暦九月の意というが、甲骨文・金文によれば象形。
- 亥:大きなイノシシの形に象る。
以上、動物の意味としての一致を見るのは巳と亥だけである。参考までに2022年に当古文書教室でお正月クイズとして受講生に十二支を原稿用紙に全て書いてもらった。ほとんどの方が苦戦、お一人のみ全問正解、私自身は二、三個不正解。則ち思いのほか十二支は難しい、と覚悟して臨んだ方が却って理解が進むだろう。