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暦講座6

八将神 その年の方位の吉凶を司る八つの神

目次

:八将神の所在方位/大将軍の遊行方位

八将神とは太歳神大将軍大陰神歳刑神

歳破神載殺神黄幡神豹尾神

旧暦の中の八将神補註暦講座関連記事

表:八将神の所在方位

太歳
大将軍
大陰
歳刑
歳破
載殺
黄幡
豹尾

大将軍の遊行方位

季節:期間/遊行方位/2024年

  • 甲子から五日間/東/3月1日~5日(1月21日~25日)
  • 夏:丙子から五日間/南/5月12日~16日(旧4月5日~4月9日)、7月11日~15日(旧6月6日~10日)
  • 秋:庚子から五日間/西/10月3日~7日(旧9月1日~5日)
  • 冬:壬子から五日間/北/12月14日~18日(旧11月14日~18日)
  • 土用:戊子から五日間/中央(家内)/1月25日~29日(旧12月15日~19日)、7月23日~27日(旧6月18日~22日)

八将神とは

八将神はどっち?
八将神は
どっちだ?

八将神(はっしょうじん)とは、八将軍(はっしょうぐん)、八大方位神(はちだいほういじん)ともいい、陰陽道でその年の方位の吉凶をつかさどる八つの神のこと。伊勢暦引札暦など旧暦の暦では初めに書かれ、また方位盤に書き込まれています。

要するに「その年に○○をする時に悪い方角はどっち?」を示すものです。例えば2024年(令和六)の干支は甲辰(きのえたつ)なので、(八将神の所在方位)の辰のところを上から下に見ていくと、太歳は辰、大将軍は子、大陰は寅…とあります。

次に具体的にその方角に向かって何をしてはいけないのか、あるいは何をするのがよいのか下記に見ていきましょう。その際、陰陽五行の五星と照らし合わせながら見ていくと、理解がより深まると思います。大将軍の遊行方位については下記大将軍の項をご参照ください。

太歳神(たいさいじん)

2024年は東南東に向かて木を切らない。

太歳神は歳星(木星)の精で、毎年その年の十二支の方角と同じ方位に位置します。木星は木の精なので、太歳神の方角に木を切ったり、家を建てたり転居することは忌み禁じられています。令和六(2024)辰年は辰の方角(東南東)に当たります。

大将軍(だいしょうぐん)

2024年は北に向かって万事凶。※遊行方位アリ

大将軍は太白(金星)の精で、殺伐を司り、八将軍第一と言われています。大将軍のいる所は万事にとって凶であり、上の表を見てもわかる通り、同じ方位に三年間留まります。

その為、三年塞がりの大将軍と呼ばれています。建築・土木、移転、井戸掘り、結婚も忌み嫌います。令和六(2024)辰年は子の方角(北)に当たります。

然しながら上の表の大将軍の遊行方位に示したように、春・夏秋・冬土用の五日ずつ、他の方角に遊行して不在になる為、その期間は忌避しなくてもよいとされています。

大陰神(だいおんじん)

2024年は東北東に向かって出産や嫁取りをしない。

大陰神は鎮星(土星)の精で、太歳神の皇后とされ、主人の太歳神の方角から三年あとに付き従うよう変化します。つまり三年前の太歳神の方角であるので、大陰神の方角は子年(太歳神の方角も子)は戌、寅年は亥のように変化します。

皇后が居る方角なので女性は遠慮すべきとして、その方角で出産することや、その方角から嫁取りをすることを忌み嫌います。令和六(2024)辰年は寅の方角(東北東)に当たります。

歳刑神(さいきょうじん)

2024年は東南東にあたる土地を耕さない。

歳刑神は地の神で、この方角にあたる土地を耕すことを忌み嫌います。また辰星(水星)の精で、刑罰をつかさどる神なので兵具をつづり、あるいは武道を行うには大吉です。令和六(2024)辰年は辰の方角(東南東)に当たります。

歳破神(さいはじん)

2024年は西北西に向かって船に乗ったり、旅行したり、移転しない。

歳破神は大陰神と同じく鎮星(土星)の精で、常に太歳神と反対の方角に居ます。凶神のため、太歳陣に突き破られるため、歳破と言われています。この方角に向かって船に乗ったり旅行、移転を忌み嫌います。令和六(2024)辰年は戌の方角(西北西)に当たります。

載殺神(さいせつじん)

2024年は南南西に向かって嫁取り、武芸始めをしない。

載殺神は太白金(金星)の精で、土気の丑、未、辰、戌を四年に一巡して移動を繰り返します。この方位は殺伐の気に満ちており、載殺神は万物を滅する凶神であるといいます。この方角に向かって嫁取り、武芸始めなどのことを忌み嫌います。令和六(2024)辰年は未の方角(南南西)に当たります。

黄幡神(おうばんしん)

2024年は東南東に向かって建築したり、門を建てたり、財宝を収めない。

黄幡神は、架空のである、らご星の精で太歳神の墓と言われています。土気の丑、未、辰、戌の方角だけを巡ります。この方角に向かって建築したり、門を建てたり、財宝を収めるには凶です。令和六(2024)辰年は辰の方角(東南東)に当たります。

豹尾神(ひょうびじん)

2024年は西北西に向かって大小便をし、この方角から牛馬や犬猫等を購入したりもったりしない。

豹尾神は、計都星(おうし座のすばる、または架空の星)の精で黄幡神と常に反対の方角に位置します。万事不浄を忌み嫌うとされ、この方角に向かって大小便をし、この方角から犬猫等を購入したりもったりすると凶。令和六(2024)辰年は戌の方角(西北西)に当たります。

旧暦の中の八将神

八将神は、大将軍の遊行方位などややこしいこともあり、これを実行するには非常に難しく現代においてこの信仰は薄らいでいます。ただ伊勢暦引札暦など旧暦のカレンダーには、八将神は先頭に大々的に記される事項となっており、古文書を学ぶ方は知識として知っておいた方がよいです。

補註

  • 伊東和彦「第三章 暦の内容」『暦を知る事典』(東京堂出版、2006年)91-94頁
  • 広瀬秀雄『(日本史小百科)』(東京堂出版 新装版、1993年)
  • 川口謙二・池田孝・池田政弘『こよみ事典』(東京美術、1977年)

暦講座

1陰陽五行説 2.十干 3.十二支 4.土用の丑の日 5.干支

6.八将神 7.金神 8.歳徳神 9.二十八宿 10.十二直

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