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伊勢暦その6

八将軍 暦の先頭上部に記される

史料

伊勢暦_八将軍

※無断転載禁止

解読文(青枠内)

  • 大さい・いぬの方:此方ニむかひて万よし、但木をきらす
  • 大しやうくん・むまの方:ことしまて、三年ふさかり
  • 大おん・さるの方:此方ニむかひて、さんをせす
  • さいけう・ひつしの方:むかひて、たねまかす
  • さいは・たつの方:むかひてわたましせす、ふねのりはしめす
  • さいせつ・うしの方:此方より、よめとらす
  • わうはん・いぬの方:むかひて、弓はしめよし
  • へうひ・たつの方:むかひて大小へんせす、ちくるいもとめす

※史料右下・赤枠内の図は、上記八将軍と金神の位置を示す。

現代語訳

  • 太歳(たいさい):戌の方角に向かって万事よし。但し木を切らない。
  • 大将軍(だいしょうぐん):午の方角は今年まで三年塞がり。
  • 大陰(だいおん):申の方角に向かって出産しない。
  • 歳刑(さいきょう):未の方角に向かって種をまかない。
  • 歳破(さいは):辰の方角に向かって移徙(転居)や舟のりをしない。
  • 載殺(さいせつ):丑の方角に向かって嫁をとらない。
  • 黄幡(おうばん):戌の方角に向かって弓始めするのがよい。
  • 豹尾(ひょうび):辰の方角に向かって大小便しない、家畜を購入しない。

解説

八将軍とは、陰陽道でその年の方位の吉凶をつかさどります。八将軍の所在方位は、その年の十二支でこちらののように定まります。

史料二行目に「文久二年みつのえいぬ」すなわち「文久二年壬戌」なので、この年の十二支は戌(いぬ)。よっての戌の行を上から下に見ていくと、当史料記載の方角とピッタリ一致することが確認できると思います。おさらいに引札暦に記された八将軍の方角もチェックしてみてください。

  

参考文献

  • 岡田芳朗 、後藤晶男、伊東和彦、松井 吉昭『暦を知る事典 』(東京堂出版、2006年)

史料情報

  • 表題:伊勢暦 天保壬寅元暦 文久2年
  • 宛所:山口右兵衛/年代:文久2(1862)/形態:折本
  • 埼玉県立文書館寄託 小室家4031
  • 当サイトは埼玉県立文書館から掲載許可を頂いてます。
  • ※無断転載を禁止します。

伊勢暦

1.伊勢暦とは 2.年号と干支 3.三鏡宝珠形 4.歳徳神 5.金神 6.八将軍 7.土公神

8.月の大小 9.月の干支 10.二十八宿と七曜 11.暦日の暦注 12.十二直

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