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伊勢暦その12

十二直(じゅうにちょく)

史料

伊勢暦_大小

※無断転載禁止

解読文

文久二年壬戌・立春、七日~九日

立春正月せつ朝五時八分ニ入、日の出ゟ日入迄昼四十三刻半・夜五十六刻半、六ゟ六迄昼四十八刻半余・夜五十一刻余

七日 かのえとら たつ/木/―/ふく日つめとりよし

八日 かのとう のそく/木/―/くゑ日たねまきよし

九日 みずのえたつ/みつ/水/天一天上/きしく大みやう五む日

現代語訳

立春正月節(暦の上で春が始まる日)は朝5時8分に入節。日の出~日入は昼43刻半~夜56刻半。明け六つ(明るくなる時刻)~暮れ六つ(暗くなる時刻)は昼48刻半余~夜51刻余。(時刻はいずれも定時法による百刻法で記されている。)

七日の干支は庚寅(かのえとら)、十二直は建(たつ)、納音の五行は木、復日(ふくにち・その月の五行とその日の五行が重なる。婚礼・葬式などを忌む)、爪切り(新年初めて爪を切る日)は吉。

八日の干支は辛卯(かのとう)、十二直は除(のぞく)、納音の五行は木、凶会日(くえにち・万事に凶)、種まきは吉。

九日の干支は壬辰(みずのえたつ)、十二直は満(みつ)、納音の五行は水、鬼宿日(きしゅくにち・嫁とりの他は万事に吉)、大明日(だいみょうにち・全ての事に大吉)、五墓日(ごむにち・各人の納音によっては諸事に凶)。

十二直とは

暦日の暦注の上段は、その日の干支と十二直(じゅうにちょく)が記されています。十二直の配当で日の吉凶が決まります。これを日にどのように当てていくかというと、立春後の最初の寅の日に建が当てられ、翌日から除・満と順番に進みます。

それでは史料で確かめてみましょう。まず、史料の立春の行を探します。見つかったら、立春の次の行を見てみましょう。史料では七日、庚寅(かのえとら)、建(たつ)とあります。立春後の最初の寅の日に十二直の建が当てられ、翌日八日は除(のぞく)、九日は満(みつ)となっていることがわかると思います。

暦日の暦注で私が最も難しく感じたのが、上段の十二直だったので、細かくみてみました。中段の木だの水だの漢字一字で示されている納音の五行も馴染みがないと思いますが、これは六十干順位表(納音、八専付き)を見ていただければ理解していただけると思います。

  

参考文献

史料情報

  • 表題:伊勢暦 天保壬寅元暦 文久2年
  • 宛所:山口右兵衛/年代:文久2(1862)/形態:折本
  • 埼玉県立文書館寄託 小室家4031
  • 当サイトは埼玉県立文書館から掲載許可を頂いてます。
  • ※無断転載を禁止します。

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