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伊勢暦8

月の大小 毎年月の日数が変わる江戸時代

史料

大小_伊勢暦

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解読文(青枠内)

原文

正月・大、二月小、三月大、四月大、五月小、六月大、七月小、八月大 閏八月小、九月大、十月小、十一月大、十二月小

現代語訳

  • 大=30日の月:正月(一月)、三月、四月、六月、八月、九月、十一月
  • 小=29日の月:二月、五月、七月、閏八月、十月、十二月

解説

月の大小は、伊勢暦において暦首(冒頭)下段左に、正月から十二月まで四列三行に区切って記載されます。

現行の太陽暦は、大の月(31日)と小の月(30日)に毎年変わりがなく、大の月は1・3・5・7・8・12、小の月は2・4・6・9・11。しかし陰暦(旧暦)は、大の月(30日の月)と小の月(29日の月)が毎年変わります。そのため江戸時代の人にとって、その年の大小を覚えておくことは日常生活において必要でした。

史料からは、文久二年(1862)の大の月は1・3・4・6・8・9・11、小の月は2・5・7・8・10・12であることが読み解けます。

参考までに同年から約三〇年後の明治二六年(1893)の大小を見ると、大の月は11・12・3・6・8・10、小の月は1・2・4・5・7・9です。

参考文献

  • 伊東和彦「第三章 暦の内容」『暦を知る事典』(東京堂出版、2006年)88頁

史料情報

  • 表題:伊勢暦 天保壬寅元暦 文久2年
  • 暦師:山口右兵衛/形態:折本
  • 埼玉県立文書館寄託 小室家4031
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伊勢暦

概要/表題:暦師 年号 干支、シンボル:三鏡宝珠形

上段:八将神、中央:歳徳神金神、下段:土公神・大小

月建:月の干支二十八宿と七曜正月行事十二直