解読文(青内)
- 大:十一(きのと,とり)、十二(きのと,う)、三(みつのと,ひつじ)、六(かのと,ゐ)、八(かのへ,いぬ)、十(つちのと,とり)
- 小:正(きのと,とり)、二(きのへ,とら)、四(みつのと,うし)、五(みつのへ,うま)、七(かのと,み)、九(かのへ,たつ)
現代語訳(青内)
大=30日の月
明治26 (旧暦) |
十一月 | 十二月 | 三月 | 六月 | 八月 | 十月 |
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干支 | 乙酉 | 乙卯 | 癸未 | 辛亥 | 庚戌 | 己酉 |
小=29日の月
明治26 (旧暦) |
正月(一月) | 二月 | 四月 | 五月 | 七月 | 九月 |
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干支 | 乙酉 | 甲寅 | 癸丑 | 壬午 | 辛巳 | 庚辰 |
解説
史料の右側と左側には月の大小が記されています。現行の太陽暦は毎年、大の月(31日)と小の月(28or29、30日)に変わりありません。
しかし史料のように陰暦(旧暦)を採用した場合には毎年、大の月(30日の月)と小の月(29日の月)が変わります。そのため昔の人にとって、その年の大小を覚えておくことは日常生活において必要でした。
史料(引札暦)から明治26年旧暦の大の月は11・12・3・6・8・10、小の月は1・2・4・5・7・9であることがわかります。
旧暦時代の名残で太陽暦の引札(明治26年)にも月の大小が記載されています。現行の太陽暦では、大の月は1・3・5・7・8・12、小の月は2・4・6・9・11。現代人にとっては当たり前の情報がわざわざ記載されていることに注目です。
参考文献
岡田芳朗「第一章 暦のしくみ」『暦を知る事典』(東京堂出版、2006年)11-12頁
史料情報
- 表題:武州小川町 紙荒物 新井茂三郎[引札]
- 明治25年11月/日出版、印刷兼発行者・秋山亦太郎
- 埼玉県立文書館寄託 小室家4825
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引札暦
新暦(太陽暦)
旧暦(太陰暦)
16.旧暦の大小