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引札暦その11

歳徳神(としとくじん)

史料

引札暦_歳徳神

※無断転載禁止

解説

史料の青い枠内の所には、「あきのかた、としとく、巳午の間万よし」と書いてあります。

全く意味がわからないと思いますが、歳徳神の所在する方角を示します。歳徳神は一年の福徳を司る神で、この方角に向かって事を行えば万事大吉とされます。

歳徳神が来る方位は、「明(あき)の方」または「恵方(えほう)」といいます。恵方は恵方巻でお馴染みですよね。

歳徳神の所在方位はその年の十干により変わり、こちらの表に示した通りですが、当史料解読用に下に見るべき箇所を太字で示したのが下の表です。

年の十干 明(あき)の方位
東宮甲 寅・卯の中間 東北東と真東の間
西宮庚 申・酉の中間 西南西と真西の間
南宮丙 巳・午の中間 南南東と真南の間
北宮壬 亥・子の中間 北北西と真北の間
南宮丙 巳・午の中間 南南東と真南の間

史料一番上には大きく「明治廿六癸巳歳」すなわち「明治26年癸巳年」と書いてありますので、この年の十干は「癸(みずのと)」です。

よって表の一番下の癸のところを見ます。明けの方位(歳徳神が来る方位)は「巳・午の中間」すなわち南南東と真南の間だということがわかりました。

これで史料の青い枠内の「あきのかた、としとく、巳午の間万よし」の意味がわかると思います。現代語訳にすれば、「歳徳神の出てくる方位は巳・午の間、(この方角に向かって事を行えば)万事よい」という意味になります。

歳徳神が出てくる定められた方角と一致していることも確認できましたね。文久二年の伊勢暦の歳徳神も併せてチェックしてみてください。

  

参考文献

史料情報

  • 表題:小川稲荷町呉服太物類小島周太郎[引札]
  • 年代:明治25/形態:一枚
  • 埼玉県立文書館寄託 小室家4827
  • 当サイトは埼玉県立文書館から掲載許可を頂いてます。
  • ※無断転載を禁止します。

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