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伊勢暦その4

歳徳神(としとくじん)

史料

伊勢暦_歳徳神

※無断転載禁止

解読文

としとくあきの方 いねの間万よし

解説

歳徳神は一年の福徳を司る神で、この方角に向かって事を行えば万事大吉とされます。史料の青枠にはその方角が記されています。

歳徳神が来る方位は、「明(あき)の方」または「恵方(えほう)」といいます。恵方は恵方巻でお馴染みですね。

歳徳神の所在方位はその年の十干により変わり、こちらの表に示した通りですが、当史料解読用に下に見るべき箇所を太字で示したのが下の表です。

年の十干 明(あき)の方位
東宮甲 寅・卯の中間 東北東と真東の間
西宮庚 申・酉の中間 西南西と真西の間
南宮丙 巳・午の中間 南南東と真南の間
北宮壬 亥・子の中間 北北西と真北の間
南宮丙 巳・午の中間 南南東と真南の間

史料二行目に「文久二年みつのえいぬ」すなわち「文久二年壬戌」と書いてありますので、この年の十干は「壬(みずのと)」です。

よって表の下から二行目の壬のところを見ます。明けの方位(歳徳神が来る方位)は「亥・子の中間」すなわち北北西と真北の間だということがわかりました。

これで史料の青い枠内の「としとくあきの方 いねの間万よし」の意味がわかると思います。現代語訳にすれば、「歳徳神の出てくる方位は亥・子の間、(この方角に向かって事を行えば)万事よい」という意味になります。

歳徳神が出てくる定められた方角と一致していることも確認できましたね!おさらいに引札暦に記された歳徳神の方角もチェックしてみてください。

  

参考文献

  • 岡田芳朗 、後藤晶男、伊東和彦、松井 吉昭『暦を知る事典 』(東京堂出版、2006年)

史料情報

  • 表題:伊勢暦 天保壬寅元暦 文久2年
  • 宛所:山口右兵衛/年代:文久2(1862)/形態:折本
  • 埼玉県立文書館寄託 小室家4031
  • 当サイトは埼玉県立文書館から掲載許可を頂いてます。
  • ※無断転載を禁止します。

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