表
木(き)の | 火(ひ)の | 土(つち)の | |||
兄(え) | 弟(と) | 兄(え) | 火の弟(と) | 兄(え) | 弟(と) |
甲 | 乙 | 丙 | 丁 | 戊 | 己 |
---|---|---|---|---|---|
きのえ/コウ | きのと/オツ | ひのえ/ヘイ | ひのと/テイ | つちのえ/ボ | つちのと/キ |
金(か)の | 水(みず)の | ||
兄(え) | 弟(と) | 兄(え) | 弟(と) |
庚 | 辛 | 壬 | 癸 |
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かのえ/コウ | かのと/シン | みずのえ/ジン | みずのと/キ |
十干(じっかん)とは
概要
十干とは、陰陽五行の木火土金水の五気が更に「兄弟(えと)」の陰陽に分かれたものです。
例えば上の表のように木気は木の兄(甲)、木の弟(乙)に、火気は火の兄(丙)、火の弟(丁)といったように分化します。
殷王朝初代王の成湯(せいとう)は、天乙(てんいつ)という名で、その先祖には報丁(ほうてい)、報乙(ほういつ)、報丙(ほうへい)、主壬(じじん)、主癸(しゅき)と干名を称する者がいたことを『史記』は伝えています。
そのような太古はいざ知らず、現在十干を使うケースはほとんどなく、ゆえに十干そのものを知らない人が少なくないでしょう。
古文書では、十二支と組み合わせて甲子(きのえね)、乙丑(きのとうし)、丙寅(ひのえとら)など、干支(えと)して用いられることが多いです。くずし字での書き方は十干の解読をご参照ください。
関連して伊勢暦や引札暦に記載される代表的な八将神、金神、歳徳神の方角の吉凶を占う神トリオは、その年の十干でその神の所在方位が決まります。
年の干支
- 2023年(令和五)の干支は、癸卯(みずのとう)。十干が癸(みずのと)、十二支が卯(う)。六十干支順位表の40番目にあたります。
- 2024年(令和六)の干支は、41.甲辰(きのえたつ)。単純に同表の順番通りに、その年の干支が割り当てられます。
- 2025年(令和七)の干支は、42.乙巳(きのとみ)。
ポイント
古文書解読のために、急いで十干の甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の全ての読み方を覚える必要は特にありません。ポイントとして、十干+十二支=干支(えと)であることさえ押さえておけば、古文書を読む際にそれほど困ることはないでしょう。
参考文献
- 福島久雄『孔子の見た星空-古典詩文の星を読む』(大修館書店、1997年)
- 吉野裕子『陰陽五行と日本の民俗』(人文書院 、1983年)