解読文(枠内)
神武天皇即位紀元 二千五百五十三年
解説
暦から見る神道一色
明治五年、政府は旧暦から太陽暦への改暦を発表。その六日後、同年一二月一五日に太政官布告第三百四十二号をもって、神武(じんむ)天皇即位紀元を制定しました。皇紀(こうき)とも言います。
これにより神武天皇などとこれまで聞いたこともない天子様の名が、初めて全国民の耳に入りました。神武天皇とは、記紀にみえる伝説上の初代天皇で、前660年に即位したと言われています。
史料(引札暦)は明治二六年、すなわち西暦1893年の暦なので、660+1893=2,553。よってこの年の神武天皇即位紀元は、史料が示すとおり二千五百五十三年となります。また神武天皇即位紀元の年数が四で割り切れる年が閏年になります。
近代天皇制国家では天皇制の源流を神武天皇に求め、神武即位の日である二月一一日を紀元節(きげんせつ)、四月三日は神武天皇祭(神武崩御の日)として戦前の祝祭日でした。紀元節は戦後、昭和二三年に廃止されましたが再び昭和四一年に建国記念日として復活しました。
令和六年(2024)を神武天皇即位紀元すなわち皇紀であらわすと、660+2024=2,684年となります。
参考文献
岡田芳朗『明治改暦-「時」の文明開化』(大修館書店、1994年)
史料情報
- 表題:武州小川町 紙荒物 新井茂三郎[引札]
- 明治25年11月/日印刷出版、印刷兼発行者・横山良八
- 埼玉県立文書館寄託 小室家4825
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引札暦
新暦(太陽暦)
旧暦(太陰暦)
16.旧暦の大小