解説
日よう表
史料(引札暦)赤枠内には「日よう表」とあります。初見において私は、何のことだろう?と暫く首を傾けましたが、単に月ごとに日曜日の日付を記していることに気付きました。
旧暦(太陰暦)から現行の太陽暦への改暦は明治六年(1873)に施行。日曜日休暇の週日制は、明治九年(1876)三月十二日の太政官達二十七号で発令されました。またこの発令の中で、土曜日は正午十二時より休暇、半日休みとされました。
史料「日よう表」では、一月なら一月八日、十五日、廿二日、廿九日と日曜日の日付が七日置きに記されいることが確認できます。
かくして史料・新暦の略暦は、上段は四方拝から新嘗祭まで国民の祝日、半分から下は「日よう表」の記載で、休日が占める割合が大きいです。暦注のほとんどが、方角の吉凶で埋め尽くされている伊勢暦と比べると、現代のカレンダーにだいぶ近くなってきています。「日よう表」はこちらの引札暦でも確認できます。
この暦の発行者
史料の青枠内には「明治廿五年十一月、日印出版、下谷区スキヤ丁十二バンチ、印刷兼発行者 横山良八」と記されています。この住所を漢字表記すると下谷区数寄屋町十二番地、則ち現在の台東区上野に当たります。
参考文献
広瀬秀雄『暦(日本史小百科)』(東京堂出版 新装版、1993年)
史料情報
- 表題:武州小川町 紙荒物 新井茂三郎[引札]
- 明治25年11月/日印刷出版、印刷兼発行者・横山良八
- 埼玉県立文書館寄託 小室家4825
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引札暦
新暦(太陽暦)
旧暦(太陰暦)
16.旧暦の大小