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女大学その13

江戸時代の結婚式

史料

江戸時代の結婚式

※無断転載禁止

現代語訳(枠内)

さて婚姻の日ならば、今の世の慣わしに従い、まず婿入りと言って、婿たる人が嫁の家へ行って、舅姑と盃(さかずき)をして帰り、その夜、嫁を迎える。

これは、古礼の名残りである。江次第(ごうしだい・、朝廷の公事・儀式などを詳記した書)等によれば、昔は女は始め、婿の方へ行くことはなく、まず婿の方から来て、盃をして、夫婦の固めをなし、婿がこの家に始まること三日五日、それ以上に長いこともあった。

その後に、婿の方へ引き取られる。よって、婿入りの式と言うことは、多く見えたけれど、嫁入りの式の事は見えない。

されば、婿たる人はまず舅姑に会いに行き、その夜になって、新婦を迎えて盛(さかずき)をするのは、右の古礼(これい)を略したものである。

さればこそ、婚姻の盃は、女より呑み始めれば、その座席も婿は客位にあって、嫁は主位、主方になる。これらは全て、古礼の意思であることは明らかだ。

さて、夫婦の酒宴の作法は、中等以上の高い身分に至っては、その作法の師によらなければわからない。

卑賤ものの作法は多く、世間にありふれて、人のよく知る所なれば、省略する。但し、金銭の無用な出費がないようにするなら、儀式を正しくするのがよい。

解説

史料は江戸時代の結婚式のやり方について説いています。婚姻の盃の際、婿が客位、嫁が主位になると書いていますが、画像情報は前ページ(結納)の右下にあるのでチェックしてみてください。

昔からあった婿入りの式を、江戸時代後期においても大切に継承していることが史料から読み解けますね。

  

解読文(枠内)

さて、婚姻(こんいん)の日(ひ)ならば、当世(とうせい)の慣(ならは)しに順(したが)ひ、まづ婿入(むこいり)とて婿(むこ)たる人嫁(ひとよめ)の家(いへ)へ至(いた)り、舅姑(しうと/\め)と盛(さかづき)をして帰(かへ)る

其夜(そのよ)嫁(よめ)を送(おく)り越(こ)す、これ古礼(これい)の遺(のこ)れるなるべし

江次第(ごうしだい)等(とう)を按(あん)ずうに、昔(むかし)は女(をんな)の婿(むこ)の方(かた)へ、始(はじ)めより、行(ゆく)ことなく

まづ婿(む)の方(かた)より来(きた)りて、盛(さかづき)をなし、夫婦(ふうふ)の固(かた)めをなし、婿(むこ)この家(いへ)に程(はじ)まること、或(ある)ひは、三日五日品(しな)によりはと永(なが)きもあり

其後(そのゝち)に、婿(むこ)の方(かた)へ引(ひき)らる也、故(ゆえ)に婿入(むこいり)の式(しき)といふ事は、多(おほく)見えたれと嫁入(よめいり)の式(しき)の事は見えづ、されば、婿(むこ)たる人、まづ往(ゆき)て舅姑(しうと/\め)に見参(けんざん)し、その夜(よ)に至(いた)り、新婦(しうめ)を迎(むか)へて盛(さかづき)をなすは、右(みぎ)の古礼(これい)を略(りやく)をるなるべし

然(さ)れはこそ、婚姻(こんいん)の盛(さかづき)は、女より呑始(のみはじ)むなれ、其(その)座席(ざせき)も婿(むこ)は客位(きやくゐ)にありて、嫁(よめ)は主位(しゆい)にありと女は主方(あまがた)なる故にて、是等(これら)は都(すべ)て古礼(これい)の遺意(ゐい)なること、明(あきら)げし

さて夫婦(ふうふ)の盛事(さかづきこと)仲人(ちゆうにん)以上(いじやう)□紳(れき/\)に至(いた)つては、その式(しき)法師(はふし)によらずんは、知(し)るべからず

卑賤(いやしき)ものゝ作法(さはう)は多(おほ)く、世間(けん)にありふれて、人のよく知(しる)所(ところ)なれば、省(はぶ)く

但(ただ)し、金銭(きんせん)の費(ついえ)なきことは、式法(しきはう)を正(たゞ)しくするがよし

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史料情報

  • 表題:女大学栄文庫
  • 年代:嘉永 4. 8.(1851)/宛名:山本平吉
  • 埼玉県立文書館収蔵 小室家文書2342
  • 当サイトは埼玉県立文書館から掲載許可を頂いてます。
  • ※無断転載を禁止します。

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