解読文(左側)
原文
女大学(をんなだいがく)
一 夫(それ)女子(によし)は、成長(せいちやう)して他人(たにん)の家(いへ)へ行(ゆき)、舅(しうと)・姑(しうとめ)に仕(つかふ)るゝものなれば、男子よりも親(おや)の教(をしへ)ゆるがせにすべからす、
現代語訳
女大学(おんなだいがく)
一(ひとつ) それ、女子は成長して、他人の家へ行き、舅・姑に仕えるものだから、男子よりも親の教えを揺るがせにしてはいけない。
解説
いよいよここから『女大学』本文に入ります。変体仮名と漢字を使って、大きく流暢な文字で書かれているので、ここからは解読文を参考にくずし字の解読にもチャレンジしてみてください。
さて、本書本文で最初に何が書かれているのかといえば、『百姓往来』と同じく孝についてです。武家のお嬢さんと百姓違いあれど、儒教が国学だった時代だけあって、どちらも本文は「孝」から始まります。本書手習いの頁でも述べましたが、『論語』は「学」而(まなびて~)から始まります。
史料情報
- 表題:女大学栄文庫
- 年代:嘉永4. 8.(1851)/栄久堂 山本平吉 梓
- 埼玉県立文書館収蔵 小室家文書2342
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