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解説
江戸時代、士農工商という身分制度がありましたが、家の中にも男性家長を頂点としたピラミッド――身分が存在していました。
男性家長の役目は、家内の営みを統率すること。よって介護の知識や技術は、男性家長中心となって習得。介護はもとより育児も率先して従事。理由は女性は賢くないから、母親だけに任せてられないという考えがあったからです。
家事や子育て、医療、介護などの関する書物は、将来家長になる男性に向けられて書かれています。
江戸時代の人々の生き甲斐は家を守ること。一家の長とふさわしくない判断された家長は、隠居した父母が当主たる子を勘当します。婿養子なら離縁、家内の者や共同体・同族・親類が強制的に隠居させられます。かくして家の中の頂点に立つ家長は、それはそれで大変でした。
家督は、きほん的にその家の長男が継ぎます。幕府の改革の一つに新田開発がありますが、次男以下はそうした新田村に活路を見出しました。