仮の親子関係 種類
① 取り上げ親
生まれた子を取り上げた産婆
② 乳親(ちおや)
③ 名付け親
家族以外で生まれた子に名前を付ける人
④ 烏帽子親
元服する武家の男子に烏帽子をかぶせ、烏帽子名(=元服名)を付ける人
解説
江戸時代初期は、奉公人請状から見て取れるように、本家やよその大農家の家で住みこみで働いていた貧しい人々がたくさんいました。しかしそうした人々の中から独立したいと願う人々がたくさん現れました。
江戸時代中期あたりになると、そうした皆の願いが社会を変え、住みこみで働くのではなく独立して小さいながらマイホームを手にする人々が主流になってきました。
しかし本家から離れ小家族化が進むと、近くに親戚がいない家も増加。保護者が生みの親だけでは心細いということで、上記のように仮の親子関係が生まれました。
今、仮の親子関係を結んでいる家はとても少ないと思いますが、私の母の名は近所のおばさんにつけてもらったそうです。
参考文献
大藤修『近世村人のライフサイクル (日本史リブレット)』(山川出版社、2003年)参照。