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江戸時代の暮らし

代参講とは 旅費を積み立て交代で伊勢参宮

代参講とは

代参講(だいさんこう)は、有名な社寺参詣するため、講金を集め、くじ引きで代表者数名ずつを順次送り出す宗教講。伊勢講、熊野講、成田講などがあります。

伊勢講

伊勢講(いせこう)は、伊勢神宮の参拝を目的に集まった講。必要な費を積み立てて交代で参詣します。

伊勢講は全体の組織になる場合が多く、参加者は家長がほとんど。主にくじ引きで、数人の代表者を選ぶ代参形式。多くは毎月、日を決めて講宿に参集し神事を行い、その後で直会(なおらい)の酒食を摂りました。

代参は、多く春先の農事始めの前か秋の収穫作業完了後の農産期に施行。代表者の出発に際しては、講中が伊勢講宿に集まってデタチの祝いをしました。一生に一度は必ず伊勢参りをしたいと念願する庶民は少なくなく、伊勢から帰省のときにも村中が村境まで出迎えました。

実例

埼玉県内の近世文書「伊勢講廻章」[文献3]による伊勢日待(ひまち:前夜から潔斎(けっさい)して寝ずに日の出を待って拝む)は以下のとおり。

日時は(旧二月)五日昼七ツ時(16時)、場所は講元兼世話人の(武蔵国旛羅郡)中奈良村・野中彦兵衛宅、参加費は二(約24,000円)、参加者は一一名(内 講元兼世話人二人)。

内容は、内宮佐源大国右近太夫様の御手代衆より御神物ならび御者(ぎょしゃ:を取り扱う人)の御披露あり、と記載されていました。

参考文献

  1. 中村吉治、圭室諦成「講」『日本歴史大辞典 第4巻』(河出書房新社、1985年)310-311頁
  2. 金本正之「伊勢講」『国史大辞典1』(吉川弘文館、1979年)580頁
  3. 埼玉県立文書館 野中家5249 「伊勢講廻章」:(江戸時代)巳正月廿一日、出所 彦兵衛・政右衛門、出所 禄蔵様、徳次郎様他七名

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