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村絵図の解読その1 家、寺など

史料 右側

武州男衾郡板井村

村絵図_右側

※無断転載禁止

解読文

①小江川境 ②寺 ③関 ④柴境 ⑤塩境

解説

概要

史料は男衾郡板井村(現・埼玉県熊谷市)の村絵図で、当村は小江川村、柴村、塩村に隣接しています。

関(せき)は異体字(旧字)で、また堰とも書き、用水取り入れのための川をさえぎって、水路の水位・流量を調整するため、川の途中や流水出口などに作った構造物。当絵図では、板井村には関は二つ、大関が一つあるようです。

家数・人口

江戸時代の全国の村の平均は、農村戸数四〇~五〇戸、人口は約四〇〇人。大岡越前御検地の武州多摩郡大沼田新田(東京都小平市)の家数は四五軒。

当村は化政期の家数四〇軒。明治九年の戸数五一、人口二七二。当村絵図は家と思しき建物が一〇棟ほどしか描かれおらず、省略しています。また家数は村の全国平均とほぼ同じですが、人口は平均の七割程度だったようです。

当時板井村には寺が一つあって、村絵図にも描かれていますが、本山派修験板井山薬王院長命寺と思われます。当寺は平安末期の草創と伝えられ、中世以来、本山派修験聖護院末で年行事職をつとめました。また、京都聖護院門跡御教書に「武州篠場長命寺」と見え、中世はこの一帯は篠場(しのば)と称されていました。

参考文献

  1. 林英夫 監修『音訓引き古文書字典』(柏書房、2004年)
  2. 「近世 板井村」『角川日本地名大辞典11 埼玉県』(角川書店、1991年)108頁

史料情報

  • 表題:村絵図
  • 年代:近世
  • 埼玉県立文書館所蔵 飯島家116
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