解読文
元文元辰年 大岡越前守様御検地、私領・寺社領・入会無御座候
一 高三百弐拾石八斗三升八合、武蔵国多摩郡 大沼田新田 江戸江道法七里現代語訳
当村は(文化十三年から九四年前の)元文元辰年(1736,江戸中期)に、大岡越前守様が御検地された幕府領です。大名や寺社の土地はなく、他村と共同利用する山林もありません。
私どもの村高は三二〇石八斗三升八合で、武蔵国多摩郡大沼田新田(東京都小平市)と言います。江戸への道のりは七里(約27km)です。
解説
用語
- 大岡越前:大岡忠相(ただすけ)。1677~1751。元文元時五九歳、享年七五。
- 私領(しりょう):御領(ごりょう(幕府領))に対し、大小名領・旗本領・寺社領のこと。
- 寺社領(じしゃりょう):神社や寺が領有(領地としてもつこと)する土地。
- 入合(いりあい):一定地域内の住民や村方が、山林・原野などを共同で利用し収益を得ること。肥料や飼料用の草、薪炭(しんたん)材、家作(かさく)のための木材などを採取した。
- 道法(どうほう):道のり。
概要
史料は、これから見ていく村明細帳の冒頭。大岡越前の屋敷は東京都小平市にあったとされています。
江戸幕府は石高制によって成立していることにより、最初に村高の記載があります。ちなみに村高の江戸時代平均は五〇〇石、武州男衾郡板井村(埼玉県熊谷市)二一八石余り、同州幡羅郡四方寺村(同市)三一六石六斗。当村含め武州(武蔵国)はきほん、米が余り取れないことが史料からも伺えます。
史料情報
- 小平市立図書館所蔵 當間家文書『村方銘細帳』(D-4-4)
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村明細帳
4.鷹場、御林、水車 5.圦樋、城跡、御巣鷹山