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植学啓原1

宇田川榕庵『植学啓原』とは

史料

表紙と扉

表紙と扉_植学啓原

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植学啓原とは

宇田川榕庵『植学啓原』(しょくがくけいげん )天保四年(1833)は、本邦初の体系的な西洋植物学紹介書。正式名『(理学入門)植学啓原』。三巻一冊。

本書は参考文献として利用した洋書名は明示されていませんが、植物学と本草との違いを明らかにしています。純正科学として樹立した記念すべき書であり、現今の植物学術用語中、本書に始まるものが多いです。

巻一は植物分類と栄養機関である・茎・葉の形態と生理、C.リンネの分類法を紹介。巻二は生殖器官である果実・種子の形態と生理、高等植物の生殖法を説明。

巻三は植物科学を中心に発酵・腐敗および物質循環で、当サイトでは巻三巻末の「植学啓原図」として二一の多色刷の頁をご紹介します。

リアルで美しい植物イラストの数々。これに添えられた短文を解読しようと思うと、くずし字ではないのですが、当時の専門用語を含んだ漢文…。だったので思いのほか難しく、現代の植物図鑑と照合しながら解読しました。然しながら古文書というか漢詩などが好きな人も結構楽しめる本かと思います。

宇田川榕庵とは

作者の宇田川榕庵(うだがわ-ようがん/寛政一〇(1798)-弘化三(1846))は、江戸時代後期学者。名は榕、号は榕庵。

美濃(岐阜県)の大垣藩(戸田氏)侍江沢養樹の長男として、江戸日本橋の大垣藩邸に生まれました。のちに宇田川玄真の養子に迎えられ、美作(みまさか:岡山県)の津山藩医。幼少より本草・物産学を好み、蘭学を修めました。博学多才で特に植物学・科学の紹介としての功は不朽。

文政五年(1822)『菩多尼訶経』(ぼたにかきょう)で一般大衆に西洋植物学を紹介。同八年二月に異国船打払令発令。同九年、幕府の命により天文方 蛮書和解御用訳員。天保四年(1833)『植学啓原』、同八年『舎密(せいみ)開宗』で西洋科学を紹介し、日本近代科学の祖と称されるに至りました。

そのほか高等数学測量学、兵学、兵器製造に精通。昆虫学を日本に紹介して、その分野でも先駆的仕事をしました。コーヒーも日本に紹介。享年四九。

参考文献

史料情報

  • 表題:植学啓原 3巻合綴
  • 年代:天保5(1834)/宇田川榕庵著、菩薩樓蔵版
  • 埼玉県立文書館寄託 小室家文書3954
  • 当サイトは同館から掲載許可を頂いてます。
  • ※無断転載を禁止します。

植学啓原

1.宇田川榕庵 著 2.根や球根 3.根の断面、シダ 4.コケやキノコ

5.ツクバネ、水仙 6.御前橘、露草 7.外国の花 8.蘭や菫

9.マメ、キク科 10.リンネ二四綱 11.花粉

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