村明細帳とは
村明細帳(むらめいさいちょう)とは、江戸時代、領主・代官の交代などの時、村側で村状を記し、役人に提出した帳簿です。
内容は村高(年貢高)、戸数、人口、山林、河川、牛馬数など。巡見使[註1]廻村[註2」の際にも同様のものが提出されました。
史料の武州多摩郡大沼田新田(東京都小平市)の名主家に残されていた村明細帳には、牛馬数は示されていませんが、用水、鷹場御用、水車、城跡などの記述が見られます。また津出場、圦樋(いりひ)、御巣鷹山など、江戸時代にあって現代にはない施設なども見どころです。
村の概要においては、村絵図が視覚情報、村明細帳がテキスト情報であり、実際、村絵図は村明細帳に添えられたりしました。
補註
- 巡見使(じゅんけんし):幕府が将軍の代替わりごとに、幕領・私領の施政や民情などを査察させた特使のこと。
- 廻村(かいそん):幕府や藩の役人などが村落を視察してまわること。
参考文献
- 秋山高志・前村松夫・北見俊夫・若尾俊平 編『図録 農民生活史事典』(柏書房、1991年)「村明細帳」249-251頁
- 林英夫 監修『音訓引き古文書字典』(柏書房、2004年)
史料情報
- 小平市立図書館所蔵 當間家文書『村方銘細帳』(D-4-4)文化13
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村明細帳
4.鷹場、御林、水車 5.圦樋、城跡、御巣鷹山