概要
詳細
里(り)
一里=三六町=3.93km(約4km)
例:普通の人の足取りで、ちょうど一時間程度の距離。
一里塚といって昔、一里ごとに土を盛り、木を植えて旅人の目印にしました。
町(ちょう)
一町=六〇間=109m
例:100メートル走ができるくらい。
物差しで測定できないような長い距離をいう場合は、里(り)や町(ちょう)を使います。
町を略記する場合、『旅行用心集』に見られるように「丁」を用います。丁場は宿場と宿場の距離で、長丁場の語源は長い旅程です。また町は面積の単位としても使われました。
丈(じょう)
一丈=一〇尺(約3m)
例:襖(ふすま)三枚分(一間半)くらい。
鴨長明『方丈記』は、方丈(ほうじょう)=一丈(約3m)四方の庵に住んでいたことによります。大仏は、丈六(じょうろく)すなわち一丈六尺(約4.8m)以上の仏像を言います。
丈(じょう)以下の長さは、一丈=一〇尺、一尺=一〇寸、一寸=一〇分の十進法。下記の間(けん)は十進法ではありませんのでご注意ください。
間(けん)
一間=六尺(約1.8m)
例:襖(ふすま)二枚分。
間(けん)は、中国などにはない日本固有の単位。日本人の身長が納まる実用的な規格であり、建物や道幅などに使用されました。間は室町後期あたりから、単位のように使われはじめたと考えられ、京都の三十三間堂は実際に六十六間あり、古代日本が間を単位として使っていなかったことを示します。
瓦版 黒船来航:蒸気船の長さと幅が「間」で表されています。
尺(しゃく)
一尺=一〇寸(約30cm)
例:そろばんの横幅くらい。
尺は、中国・朝鮮および日本の度量衡基本単位。楽器の尺八の由来は、その長さ一尺八寸から。尺は「短い」「わずかの長さ」の意味があり、尺土(せきど)とは「わずかの土地」という意味です。
寸(すん)
一寸=一〇分(約3cm)
例:親指くらい。
『一寸法師』(いっすんぼうし)は作者未詳、室町から江戸時代初期にかけて作られた『御伽草子』二三編の一。一寸しかない男子が鬼退治をして出世する物語です。
分(ぶ)
一分=一〇厘(りん)(約3mm)
例:筆や鉛筆の先っぽくらい。
単位の名前や文字には、たいていその語源にあたる何かがありますが、寸(すん)と分(ぶ)は、それに相当するものがはっきりと確認されていません。
参考文献
- 安富有恒「長さの単位」佐藤健一 編『江戸の寺子屋入門-算術を中心として』(研成社、1996年)72-78頁
- 大石学 監修『古文書解読事典』(東京堂出版、2000年)「容積・尺度・面積」308-309頁
度量衡講座
3.石盛:4.石盛と石高を極める1 5.その2