図
江戸時代 金貨
小判 | 二分金 | 一分金(小粒) | 二朱金 | 一朱金 |
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- | 文政元 (1818) ~ | - | 元禄一〇 (1697) ~ | 文政七 (1824)~天保一一年(1840) |
1枚で一両 | 2枚で一両 | 4枚で一両 | 8枚で一両 | 16枚で一両 |
単位
江戸時代 貨幣
金貨
金一両っていくら?
金一両は現代で約75,000円
計算式
- 一石は150kg。
- 現代の米相場を5kgで2,500円とします。
- 米一石の金額は、150kg×2,500円÷5kg=75,000円。
- 江戸時代、金一両でほぼ一石の米が買えたので、金一両=一石=約75,000円。
解説
江戸時代の貨幣には、金貨・銀貨・銭貨の三種あり、両は小判すなわち金貨の単位です。
金一両は75,000円ではなく、「約」75,000円としたのは、お米の相場は変動するからです。仮にお米の相場が一定だとしても、ブランドによっても5kgで1,300円~3,000円くらいの違いがあるので、一両は現代でいくらか正確な数字をバシッと言うことは誰にもできません。
逆に言えば上記計算式を立てられれば、自分の経済感覚でその値を求めることができます。そうは言っても、いちいち計算するのが面倒な方は、一両は約75,000円と覚えておいても別段問題ないでしょう[註]。
金一分っていくら?
金一分は現代で20,000円弱
金一両=四分、すなわち両の4分の1。金一両を75,000円とすると、75,000÷4=18,750≒20,000円弱。
図に示した一分金(いちぶきん)は、一分判(いちぶばん)または小粒(こつぶ)とも言います。
金一朱っていくら?
金一朱は現代で5,000円弱
金一両=四分=一六朱。金一両を75,000円とすると、75,000÷16=4687.5≒5,000円弱。
一朱金は文政七年(1824)発行。少額で便利でしたが、純金含有量が少ない悪質な貨幣で悪評だったので天保一一年(1840)に中止。少額の金貨代用として、一朱金廃止以前より計数銀貨が普及しました。
補註
文献に見る金一両 円換算
- 佐藤健一『和算で遊ぼう!』(かんき出版 、2005年 )58頁:金一両は現代で約75,000円。
- 菅野則子・桜井由幾『入門 古文書を楽しむ』(竹内書店新社、2000年)228頁:一両=65,628円。(米一石=約180kg/元禄の頃/2000年4月 指定標準米価格 10kg=3,646円)
- 森安彦『古文書を読んでみよう-文書で知る江戸の農村のくらし』(日本放送出版協会、2001年)68頁:一両=十万円。(文化四年(1807)「旅金小遣覚帳」)
- 三省堂編『古文書を読む 解説ノート16号』(日本放送協会学園、2007年)49頁:一両=八万円~十万円。(享和二(1802)十返舎一九『東海道中膝栗毛』:藤實久美子 解説)
度量衡講座
3.石盛:4.石盛と石高を極める1 5.その2