概要
- 一貫(かん)=一〇〇〇匁(もんめ)
- 匁以下、微量は十進法:一匁=一〇分(ぶ)、一分=一〇厘(りん)、一厘=一〇毛(もう)
どのくらい?
一貫=3.75kg
メロン二玉くらいの重さ。
レターパック(郵便局A4封筒)は4kgまで可。
駄馬の積載量も併せてご参考ください。
一匁=3.75g
現在使われている五円玉は3.75g、すなわち一匁で作られています。
歴史
ルーツは中国
中国唐代に開元通宝(かいげんつうほう)という青銅貨が鋳造されました。これは日本の和同開珎をはじめ、周辺国の銭貨の祖形となった貨幣です。
宋代に開元通宝を重さの単位で使う習慣が定着し、単位の「銭(せん)」がそのまま使用されました。日本はこの頃から銭貨を輸入しました。
日本特有の「匁」
しかし単位・銭の代わりに日本は、匁(もんめ)という独自の名称を使用。一匁は開元通宝一文の重さにあたります。すなわち一文目の目方(めかた/重量)ということで、日本では銭ではなく匁と呼ばれるようになりました。こうして銭の千倍単位の貫(かん)も次第に定着していきました。
一方、銀は重さで取引されたので、銀貨の単位も貫、匁、分(ぶ)などが使われました。
真珠は現役
日本は真珠の輸出国で、匁が外国でも通用していた背景により、現在も世界で真珠の計量に匁が使用されています。(!)
ポイント
古文書(近世文書)といっても様々種類ありますが、貫や匁はこちらのくずし字のように、銀貨の単位として用いられることがほとんど。古文書で純粋な重さの単位として出てくることは意外に少ないです。
これはお米の量は現代と違って、石高という容積で表していたことによるものかと。逆に言えば江戸時代に、お米を○貫○匁とか重さで記す人はまずいません。
江戸時代の単位は複雑で混乱しますが、古文書に出てきた人物は何を量っているのか、お米なのか、銀貨なのか、駄馬の積載量なのかをまず考えると理解しやすいと思います[註]。
結論として古文書学習においては、銀貨の理解を深めるために、一応重さの単位として貫と匁を見ておく程度でよいでしょう。
補註
斤
重さの単位として貫や匁などとは別に斤(きん)がある。一斤=一六〇匁であるが、品目により一二〇匁から二五〇匁まで種々ある。斤は古文書において出てこなくもないので、以下に参考までに例を挙げる。
参考文献
- 佐藤健一 編『江戸の寺子屋入門-算術を中心として』(研成社、1996年)
- 林英夫監修『音訓引き古文書字典』(柏書房、2000年)
度量衡講座
3.石盛:4.石盛と石高を極める1 5.その2