くずし字で楽しむ江戸時代

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古文書概論8

古文書学習法1 概論_AI時代にどう学ぶべきか

古文書学習方法

解説

くずし字だけでは…

周知のとおり古文書の多くは、くずし字(草書)で書かれています。

かくして読めるようになるには、せっせとくずし字を覚える――ことに疑問を持つ人はいないでしょう。然しながら、くずし字だけ覚えても古文書を理解するに至りません。

江戸時代に使われていた言葉――助郷(すけごう)、人足(にんそく)、高直(こうじき)など、現在使われていない言葉が古文書にはたくさんあるので、これらの意味も知っておく必要があります。もっと言えば、詳しくは次項に譲りますが、図書館に行って言葉を調べなければいけないケースも多々出てくると思います。

一方、その文書全体を理解するには時代背景、つまりは江戸時代の暮らし文化幕府の政治社会システム等も知っておく、あるいはこれも図書館で適宜調べる必要があります。

AIは解読できる?

くずし字解読自体は、早晩AIが解読してくれる――

かもしれませんが私自身、日々解読していて思うに相当厳しいと思います。何故にというに、未だ入力できない異体字やら旧字も多いのが現状。AIが解読した場合、戦後に出来た常用漢字で出力する気なのだろうか…。

故にこの先はホラーさながら、ブロック体ではない くずし字は文字が繋がっているのが特徴。従ってAIがこれを解読するにあたっては、まず文字の切り離しが発生するはず。これをまた繋げる――とか情けないだろ。

また人が古文書を読む際は、文脈が助けになりますが、ヤツの一番苦手なのが文脈の理解。すなわち人間の場合、お寺の扁額や掛け軸など文脈がないくずし字解読は、短いものの難しいです。

個人的にAIは、標準語を鹿児島弁に変換してもらうときに便利でした。間違っちょっかもせんけん、気にせんでな~。やっと使い道が見つかった。もとい、※リンク先はあくまでご本人のお言葉です。

一方で私は、古文書関係(専門分野)を「活字体で」AIに聞いたことはない。何故ならAIは明らかに間違った回答を「無責任に」出してくる場合は勿論のこと、次項学習の具体論で述べます「私自身の」学習の妨げになる――その間に後進の「人」に先を越されるとか、なんという時間の空費。

そんな私のダメ男は当面、くずし字解読も難しいので現代語訳は恐らくもっと厳しい。解読できて意味がわからないって、却って悲しいじゃありませんか。

そんな彼氏を反面教師にして、別に彼氏じゃないけど、①くずし字、②言葉の意味の理解、③江戸時代の暮らしと文化、これらをバランスよく学習することが、人間にとって益々大切になってくるはずです。

参考文献

  • マレー・シャナハン著、ドミニク・チェン(監修、翻訳)他『シンギュラリティ:人工知能から超知能へ』(NTT出版、2016年)
  • フリードリヒ・キットラー 著、大宮勘一郎・石田雄一 翻訳『書き取りシステム1800・1900』(インスクリプト、2021年)

古文書概論

1.古文書(こもんじょ)とは

2.特徴 3.文字の種類 4.書き方の歴史

5.古文書の種類 6.最初に覚えること

7.くずし字の覚え方 学習法:8.概論 9.具体

10.書けなくてもいい? 11.漢文との違い

12.読む意義 13.資格取得 14.読む猫

15.向いているかな判定 16.学習チェックリスト

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