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看板・扁額その6

お寺の額(扁額・へんがく)のくずし字その1

京都・広隆寺の額に書かれた文字を解読してみよう!

お寺の額(扁額・へんがく)その1

和国教主

和国教主とは、親鸞聖人が聖徳太子を和国の教主(一宗一派の創始者。また、代表者。)と深く讃えたことから、聖徳太子のことを指します[註1]。ちなみにこの額が掲げられている広隆寺は聖徳太子信仰のお寺です。

和国は問題なく解読できると思いますが、教は救に、主は直とか置のくずし字に似ていることもあり、あとの二文字は結構、難読です。

あと、大丈夫だと思いますが、昔の横書きは今と違って右から左に、←こっち向きに読むのでヨロシク。

お寺の額(扁額・へんがく)その2

大悲救世

大悲(だいひ)とは、仏語で衆生の苦しみを救う仏・菩薩の大きな慈悲の意味があり、また、観世音菩薩の別名として用いられます。救世(きゅうせい)とは、宗教の力でこの世の苦しみや罪悪から人々を救うことの意味です。

また、親鸞聖人は聖徳太子のことを、大悲救世観音とも讃えていました[註2]。

それにしてもこれをスラスラ読んでしまった方はアブナイ。もとい、古文書の達人です!(笑)

大は問題ないと思いますが、悲と救と世のくずし字は難しすぎるかもしれなせん。しかし悲と救と世のくずし字はこのカタチで古文書でもよく出てくるので、理屈抜きで覚えてみてください。

お寺の額(扁額・へんがく)その3

以和為貴

以と和、為と貴の間に返り点を打って(以レ和為レ貴)、和を以(も)って貴(とうと)しとなしと読みます。

そうです、これは聖徳太子が定めた有名な十七条の憲法の第一条にあたります。というわけで、額のくずし字を解読することで、広隆寺には聖徳太子にまつわる言葉が散りばめられていたことがわかりました!

以と和のくずし字は問題ないと思いますが、為は尊に、貴は美に似ていることもあり、あとの二文字は非常に難読だと思います。

扁額の解読って結構難しい!

お寺に掲げられている横に長い額は看板の一種で、扁額(へんがく)と言います。

今回は国宝第一号でお馴染みの弥勒菩薩が安置されている広隆寺の扁額のご紹介でしたが、このように扁額に書かれた文字の解読が結構難しいこともあって、扁額の文字もこれから少しずつ解説していこうと思います!

  

補註

註1:和国の教主 聖徳王(1)-瑞興寺 参照のこと。

註2:救世観音(2)-瑞興寺 参照のこと。

看板・扁額

1.鎌倉編その1 /2.鎌倉編その2/3.鎌倉編その3/4.川越編/5.昭和レトロ館

6.お寺の額(扁額)その1/7.お寺の額その2/8.御詠歌/9.江戸時代の女性の名前

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