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百姓往来その6

信(しん)とは

史料

信(しん)_百姓往来

※無断転載禁止

解読文

信(しん)/朋友(ほうゆう)にましはる事は、世にある人にましはり、諂(へつ)らひは常(つね)のならひなり、落魄(をちぶれ)て便(びん)なく、貧(まづ)しき人に情(なさけ)をかけ、とり分懇(ねんころ)に交(まじ)るして、人の誠(まこと)とはいふべけれ

今時はさにあらず、とかく人をすてゝ、金銀(きん/\)にましはるが世の中なり/哥ニ 数(かづ)ならぬ 身ととふ人の 心して いつはりもなき 情(なさけ)なりけり

現代語訳

信(しん)/友人と交わることは、世にいる人との交わり。へつらいは常の習いなり。落ちぶれて不憫で貧しき人には情けをかけ、とりわけ親しく交わって人の誠と言うべきだ。今時はそうではなく、とかく人を捨てて金銀に交わるが世の中だ。

歌に「数ならぬ 身ととふ人の 心して いつはりもなき 情なりけり」(私は取るに足らない身と相手を見舞う人の心は、偽りもない情けである)

解説

史料に「とかく人を捨てて金銀に交わるが世の中なり」とあります。荻生徂徠『政談』にも「金を持たず、見栄え悪ければ、高位・有徳の人も自ずと肩身がすぼまって人に蹴落とされる今の世界である。」とあります。詳しくは金で物を買う将軍の項をご参照ください。

江戸時代の中期ともなると、都市から農村にお金が流れてきて、農業で食べていけない者は土地を手放し、お金を稼ぎに都市へ行きました。農村の危機については吉田市右衛門文書をご参照ください。江戸時代と現代が余りにも似ていてることもあり、信の教えは身にしみますね。

  

史料情報

  • 表題:百姓往来
  • 年代:文政 3/出所:浪花禿帚子再訂 /宛所:西村屋与八外 /形態:竪帳
  • 埼玉県立文書館寄託 小室家文書3384
  • 当サイトは埼玉県立文書館から掲載許可を頂いてます。
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百姓往来

1.百姓往来とは/2.仁徳天皇の仁政/3./4./5./6.信/7.耕作の道具/8.年貢の納め方、助郷

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