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百姓往来その8

年貢納入、助郷について

江戸時代の往来物(教科書)『百姓往来』から、年貢の納める際に気を付けることや助郷のお勤めについて見てみましょう。

史料と解読文

年貢の納め方、助郷

※無断転載禁止

解読文

(<<御)年貢者(ねんぐまいは)、口米(くちまい)共(とも)、赤玉青砕(あかたまあをくだけ)荒(あら)等(とう)無之様(これなきよう)遂(とげ)吟味(ぎんみを)

米見(こめみ)升取(ますとり)名主立合(なぬしたちあい)縄(なは)俵(たはら)念入(ねんいれ)御蔵納(おくらおさめ)津出場(つだしば)之事(のこと)別而(べつして)未進(みしん)無之様(これなきやう)可心懸(こころがくべき)者也(ものなり)

将亦(はたまた)御巡見(ごじゆんけん)遵行(じゆんこう)之節(のせつ)御伝馬者(おてんまは)御領(ごりやう)私領共(しりやう)共(とも)村々(むら/\)定大助(でうおほすけ)遠村(ゑんそん)加助役(かすけやく)并(ならび)助郷問屋(すけこうとひや)人馬(にんば)割触(わりふれ)順番(しゆんばん)宿(しゆく)

>>頭書 解読文

現代語訳

年貢は、口米(本年貢に対する付加税)ともに、米のもみ等がないよう吟味して納めること。

米のよしあしを見分け、升を使ってはかり、名主が立合って、縄・は注意深く蔵に納め、津出場(船積場所)のことは、とりわけ滞納ないよう心懸けるべきこと。

なおまた役人が々を視察してまわる時、公用輸送にあてた馬(伝馬)は、幕府領や旗本・私領ともに、大助郷(おおすけごう/定助郷のこと)、遠村は加助郷(かすけごう)ならびに(宿役人としての)伝馬問屋(といや)は人馬を各助郷村に割振り、お触れの順番…(史料ここまで)

MEMO

百姓の務めである、年貢の納め方助郷について書かれており、往来物(教科書)というより実用書に近いです。本文上部の頭書(かしらがき)は当時の文房具等の名前が並び、実用であるならば逆に、百姓といえど読み書きに無縁ではないことが伺えます。

  

頭書 解読文

(香筋 こうじ=きようじ )立(たて)、吸物(すひもの)椀(わん)丼鉢(どんぶりばち)硯蓋(すゞりふた)手匣(てばこ)文箱(ふみはこ/書状入れ)

料紙箱(りやうしばこ/用紙入れ)硯筥(すゞりばこ/硯、墨・筆入れ)水滴(みづいれ)墨(ぼくだい)筆架(ひつか/筆かけ)硯屏(けんびやう/硯の前にかける)文鎮(ぶんちん)卦算(けいさん/文鎮)卓(しよく)机(つくえ)文台(ぶんだい/歌会の際の小机)脇息(かうそく/肘掛け)屏風(びやうぶ)風衝立(ふついたて))

史料情報

  • 表題:百姓往来
  • 年代:文政3/出所:浪花禿帚子再訂 /宛所:西村屋与八外 /形態:竪帳
  • 埼玉県立文書館寄託 小室家文書3384
  • 当サイトは埼玉県立文書館から掲載許可を頂いてます。
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百姓往来

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