書籍情報
紹介文
古文書を解読する上で漢和辞典まで必要なの?!と思われかもしれませんが、私は頻繁に使います。
くずし字辞典や異体字典などは、字体や読み方の確認はできても、漢字の「意味」までは掲載されていないので、これを補う際に漢和辞典を用います。また古文書では、異体字含め現在では使われない漢字がたくさん出てくるので、漢和辞典が傍にあると何かと安心です。
現代においては、齊(斉)と齋(斎)を使い分ける必要がありませんが、漢文においては区別しないと却って混乱します。例えば『論語』で齊(セイ)は「中国の国名」「ととのええる」「ひとしくする」、齋(サイ)は「ものいみ」の意味で共によく出てきます。
巻末の付録の、漢字とは何か、歴史などの解説などは読んでいて面白いですし、漢文の基本構造、中国歴史地図、諸子百家系統図なども資料も豊富。年々、カタカナが増える傾向にあり、その反動で特に調べることがなくても、暇があればず――っと読んでいたい、もはや辞典を通り越して愛読書です。
オススメの本
辞典
1.古文書解読事典 2.くずし字用例 3.音訓引き 4.異体字解読