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儒教

仁とは 儒教道徳(五常)解説

五常

五常 意味
あわれみの心
恥ずかしいと思う心
敬い慎む心
是非を判別する心
誠の心

五常配色は陰陽五行説、意味は『孟子(告子章句上)』より。

仁とは

儒教の最高道徳は孔子が力説した「仁」。五常・仁義礼智信の中で最も重要な徳目です。仁の意味は、自分の心中の欲求を自覚し、他者の心中を思いやること、です。

然しながら、仁に限らず義礼智信にも言えるのですが、儒教用語においてこれが正しい意味だ!という明確な答えは特にありません。古代より儒者が様々な経書(儒教の経典)を紐解きながら、様々に意味を解釈をしてきました。

これに倣い、個々人が経書を踏まえて自分なりの答えを出していく――これが儒教の楽しみ方の一つです。それでは以下、経書より仁について言葉を挙げますので、自分なりに答えを導き出してみてください。

経書よる「仁」

  • 「仁ということばの意味は人、つまり人間であれ、ということである。」『孟子(尽心章句下)』
  • 「仁は人(じん)であり、親子兄弟の間の親和が最大の仁である。」『礼記(中庸)』
  • 「仁に安住することこそ立派である。安住の地を仁に求めないでどうして知者と言えようぞ。」『論語(里仁篇)』
  • 「仁は手の届かないものではないぞ。我々が仁であろうと思う時、もうその所に仁はあるのだ。」『論語(述而篇)』
  • 「不屈の意思と決断力、そして見栄を張らず口が重い。そのような人こそ仁の素質がある。」『論語(子路篇)』
  • 「道に志す人や仁徳を身につけた人は、生命を惜しんで仁を損じようとはしない。(むしろ)身を捨てても仁の達成をはかるのである。」『論語(衛霊公篇)』
  • 「子夏曰く「博く学んで熱心に道に志し、切実な問題として問い、手近な所から考えてゆくならば、おのずと仁に近づくであろう。」」『論語(子張篇)』
  • 「人を愛しても相手が親しんで来ないならば、自分の仁の不足を反省せよ」『孟子(離婁章句上)』
  • 「仁者は財を用いて身を発し、(身体を豊かにし)、不仁者は身を磨りへらして財を発する(財を増殖する)。」『礼記(大学)』
  

参考文献

  • 木村英一・鈴木喜一訳「論語」、藤堂明保・福島中郎訳「孟子」、竹岡八雄・日原利国訳「荀子」、竹内照夫訳「礼記」『中国古典文学大系 (3)』(平凡社、1970年)
  • 土田 健次郎『儒教入門』(東京大学出版会、2011年)

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