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儒教

礼とは 儒教道徳(五常)解説

五常

五常 意味
あわれみの心
恥ずかしいと思う心
敬い慎む心
是非を判別する心
誠の心

五常配色は陰陽五行説、意味は『孟子(告子章句上)』より。

礼とは

礼とは儒教の五常・仁義礼智信の一。儒教では礼を習い、それを実践することは必須でした。は人(じん)なり、は宜(ぎ)なり、という説明のしかたをするならば、礼は例なりと言えそうです。慣例を遵守し、慣例に基づいて作法を定め、規範を設ける、これが礼であって、すなわち「重んずる例」という意味に他なりません。

礼の中で最も重要なのは親が死んだ時に行う「三年の喪」は古今東西変えてはいけない礼とされていました。これにより古代より中国や朝鮮は三年の喪がありましたが、古代より日本では親が死んでも一年程度の喪でした。儒教に限らず仏教の宗派もそうですが、我が国は外から入ってきたものを勝手に作り変えてしまう、「着せ替え人形(金谷治『中国思想を考える (中公新書)』)」的なところがあります。

『論語』

  • 「人が人間らしい人間でなければ礼が何になろうか。人が人間らしい人間でなければ楽(がく)が何になろうか。」『論語(八佾篇)』
  • 「上位にあって寛大でなく、礼を行いながら敬虔の念をこめず、葬式に際して哀痛の心がない。こんなことでは何処に見所があるといえようか。」『論語(八佾篇)』
  • 「礼は費用をかけるよりは、つつましい方がよい。葬式は形を整えるよりは哀れみのこころがあふれている方がいい。」『論語(八佾篇)』

『礼記』

中国の古典『礼記(らいき)』の中の「大学」「中庸」と『論語』『孟子』を四書と言い、礼そのものについて書かれたものが『礼記』です。

  • 「富貴の人は、礼を好むことによって、驕慢と淫蕩から免れ、貧賤の人は、礼を好むことによって誇りを保ち、卑屈に陥らずに済むであろう」『礼記(曲礼上)』
  • 「祭礼は、あまり多く行うのはよくない。多く行えば、やがて煩わしくなり、煩わしくなければ敬いの心もなくなるであろう。しかし、行うことがあまり少なくてもいけない。少ないとつい軽んじて怠るようになり、怠ればいつしか忘れてしまうであろう。」『礼記(祭儀)』
  • 「三年の喪(の意義)は何であろう?それは、人情に相対して礼を設け、これによって人倫を(形式的に)整え、かつ親族間の遠近上下を区別したものであり、(極めて適正に作られていて)これを改正する余地がない。それゆえ昔から部易(ぶえき)の道(不変の礼法)と呼ばれている。」『礼記(三年問)』
  

参考文献

  • 木村英一・鈴木喜一訳「論語」、藤堂明保・福島中郎訳「孟子」、竹岡八雄・日原利国訳「荀子」、竹内照夫訳「礼記」『中国古典文学大系 (3)』(平凡社、1970年)
  • 土田 健次郎『儒教入門』(東京大学出版会、2011年)

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五常とは仁とは義とは/礼とは/智とは信とは

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