図
江戸時代 銀貨
丁銀 | 豆板銀 | 一分銀 | 二朱銀(二朱) | 一朱銀 |
---|---|---|---|---|
- | - | 天保八(1837)~ | 安永元(1772)~ | 文政一二(1829)~ |
秤量貨幣 | 秤量貨幣 | 計数貨幣 | 計数貨幣 | 計数貨幣 |
重量不定 | 重量不定,丁銀補助 | 4枚で金一両 | 8枚で金一両 | 16枚で金一両 |
単位
銀貨
銀一貫っていくら?
銀一貫は現代で約1,250,000円
計算式
- 銀一貫は一〇〇〇匁。/重さの単位参照のこと。
- 江戸時代中後期において、金一両は銀貨六〇匁に相当[文献1]。
- 金一両は現代で約75,000円。
- 銀一貫は、75,000円×1,000匁÷60匁=1,250,000円
解説
江戸時代の貨幣には金貨・銀貨・銭貨の三種あり、貫は銀貨と銭貨の単位で、銀一貫は一〇〇〇匁です。
さて銀一貫というのは、余りに高額な値なので、幕府や大名など相当な身分の間で交わされる古文書ではない限り、村方・庶民レベルの文書でまず見かけることがありません。
よって銀貨の場合、単位は下記「匁」が主流となります。とはいうものの、銀一貫は自動車一台買えるくらいの金額と覚えておきましょう。
銀一匁(もんめ)っていくら?
銀一匁は現代で約1,250円
計算式
- 江戸時代中後期において、金一両は銀六〇匁に相当。
- 金一両は現代で約75,000円。
- 銀一匁は、75,000円÷60匁=1,250円
解説
一匁は千分の一貫。銀一匁は、書籍とかランチ代くらいと覚えておきましょう。
銀一分っていくら?
銀一分は現代で約125円
計算式と解説
分(ふん)は銀貨の単位で、銀一分は十分の一匁です。先に求めた銀一匁1,250円という値から10を割って125円。銀一分というのは、缶ジュース代くらいと覚えておきましょう。
計数銀貨
上記秤量銀貨に対して、定額の計数銀貨は金貨に対しての比率で数える銀貨。実質は銀貨ですが、小判・一分金の下に少額の金貨として発行。幕府の金貨本位政策と貨幣経済進展による少額貨幣需要とにより、計数銀貨が代用されるようになりました。詳しくは江戸時代の貨幣参照のこと。
一分銀(いちぶぎん)
一分(一両の四分の一)相当、すなわち四個で金一両相当。安政五年(1858)の日米修好通商条約後は、金貨流出を補うため流通させましたが、日本の金貨が海外に流出し混乱を助長しました。一分銀=20,000円弱。
二朱銀(にしゅぎん)
長方形の銀貨で、二朱判銀(にしゅ‐ばんぎん)、単に二朱(にしゅ)とも言います。
二朱(一両の八分の一)相当、すなわち八個で金一両相当。二朱銀=10,000円弱。
一朱銀(いっしゅぎん)
一分(一朱の一六の一)相当、すなわち一六個で一両相当。一朱銀=5,000円弱。
文献
- 東京都江戸東京博物館 学芸課展示係 編『図表でみる江戸・東京の世界』(東京都江戸東京博物館、1998年)
- 中田祝夫・和田利政・北原保雄 編『小学館古語大辞典』(小学館、1993年)
- 日本歴史大辞典編集委員会 編『日本歴史大辞典 第7巻』(河出書房新社、1985年)
- 菅野則子・桜井由幾『入門 古文書を楽しむ』(竹内書店新社、2000年)
度量衡講座
3.石盛:4.石盛と石高を極める1 5.その2