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村入用帳5

勧化・旅僧・座頭など

史料

勧化・旅僧・座頭_村入用帳

※無断転載禁止

解読文

原文

  1. 銭弐貫文 御年貢并村入用勘定之節立合人水夫其外入用
  2. 銭三貫六百文 年中諸勧化ニ差出申候
  3. 銭四百八拾四文 旅僧座頭ニ遣申候
  4. 銀五拾弐匁六分四り 年中御取締御用ニ付諸入用

現代語訳

  1. 銭二貫文(約24,000円)は、年貢ならび村入用勘定の折に立会人・水夫(かこ:乗り、船員で船荷の積み下ろしなどに従事)その他費用です。
  2. 銭三貫六〇〇文(約43,200円)は、一年間で諸勧化(かんげ:寺社の修復・造営の為に行われた募金活動)に差し出しました。
  3. 銭四八四文(約5,808円)は、僧・座頭にお支払いしました。
  4. 銀五二匁六分四厘(約65,800円)は、一年間で御用取締り(監視・監督)のための費用です。

解説

年貢入納 諸経費

7.について幕府に年貢を納めるには、船で江戸浅草の米蔵まで運ぶ必要があり、また浅草の米蔵納入時は代官が蔵奉行の仕方を立ち会い見届ける義務などもありました。

勧化・旅僧・座頭

8.と9.について、村の外から瞽女(ごぜ)のほかに、勧化・旅僧・座頭などもやって来てお金を求めに来ました。

座頭は、僧形の盲人で琵琶・三味線などを弾いて語り物を語り、また、あんま・はり金融などを業としました。座頭は盲人四官で公の身分を振りかざすこともあり、また村の人々も公の身分の人に対して無下にはできませんから割り切ってお金を渡します。

セキュリティ

10.について、上記の通り瞽女・勧化・旅僧・座頭など怪しい人々が村を行き交うこともあり、当然、セキュリティ=御用取締りにもお金をそれなりにかけているのが史料から読み取れます。

史料は文久三年(1863)ですが、文化二年(1805)に無宿取締りを背景として関東取締出役が設置。文政改革において組合村が組織された背景も影響しているでしょう。

史料情報

  • 小平市立図書館所蔵 當間家文書『去戌年村入用帳』(D-5-38)文久三年
  • 当サイトは同館から掲載許可を頂いてます。
  • ※無断転載を禁止します。

村入用帳

1.概論 2. 表紙 3.名主給 4.通信・光熱費 5.勧化・旅僧

6.御用交通費 7.合計額 8.残高 9.差出人 10.宛名 返信

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