解読文
原文
- 銭弐貫文 御年貢并村入用勘定之節立合人水夫其外入用
- 銭三貫六百文 年中諸勧化ニ差出申候
- 銭四百八拾四文 旅僧座頭ニ遣申候
- 銀五拾弐匁六分四り 年中御取締御用ニ付諸入用
現代語訳
解説
年貢入納 諸経費
7.について幕府に年貢を納めるには、船で江戸浅草の米蔵まで運ぶ必要があり、また浅草の米蔵納入時は代官が蔵奉行の仕方を立ち会い見届ける義務などもありました。
勧化・旅僧・座頭
8.と9.について、村の外から瞽女(ごぜ)のほかに、勧化・旅僧・座頭などもやって来てお金を求めに来ました。
座頭は、僧形の盲人で琵琶・三味線などを弾いて語り物を語り、また、あんま・はり・金融などを業としました。座頭は盲人四官で公の身分を振りかざすこともあり、また村の人々も公の身分の人に対して無下にはできませんから割り切ってお金を渡します。
セキュリティ
10.について、上記の通り瞽女・勧化・旅僧・座頭など怪しい人々が村を行き交うこともあり、当然、セキュリティ=御用取締りにもお金をそれなりにかけているのが史料から読み取れます。
史料は文久三年(1863)ですが、文化二年(1805)に無宿取締りを背景として関東取締出役が設置。文政改革において組合村が組織された背景も影響しているでしょう。
史料情報
- 小平市立図書館所蔵 當間家文書『去戌年村入用帳』(D-5-38)文久三年
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