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村入用帳4

通信費・光熱費など

史料

名通信費・光熱費など_村入用帳

※無断転載禁止

解読文

原文

  1. 金壱両 年中御廻状継人足賃
  2. 金壱分 年中名主宅ニ而筆墨紙代
  3. 銭壱貫弐百文 年中瞽女ニ差遣申候
  4. 銀拾匁 年中名主宅ニ而村用相用候、水油蠟燭代

現代語訳

  1. 金一両(約75,000円)は、一年間で廻状(かいじょう)のための人件費に使いました。
  2. 金一分(約18,750円)は、一年間で名主宅にての紙代に使いました。
  3. 銭一貫二〇〇文(約14,400円)は、一年間で瞽女(ごぜ:盲目の女性で三味線を引き歌をうたってお金をもらう芸人)にお支払いしました。
  4. 銀一〇匁(約12,500円)は、一年間で名主宅にて村で用いる為の水油(みずあぶら・椿油や菜種油)とロウソク代に使いました。

解説

3.について、江戸時代の通信費は廻状回す人件費になりますが、現代だと電話やインターネット接続料にあたるでしょう。いつの時代もこれが結構バカにならないようです。

5.の瞽女さんには、村で一括して支払いしています。支払わないといつまでも玄関前で三味線を引き続けることもあるので、さっさとお金を渡して帰ってもらうのが大人の対応。

4.の筆墨紙代=文具代、6.の光熱費=水油・ロウソク代についても併せてチェックしてみてください。

史料情報

  • 小平市立図書館所蔵 當間家文書『去戌年村入用帳』(D-5-38)文久三年
  • 当サイトは同館から掲載許可を頂いてます。
  • ※無断転載を禁止します。

村入用帳

1.概論 2. 表紙 3.名主給 4.通信・光熱費 5.勧化・旅僧

6.御用交通費 7.合計額 8.残高 9.差出人 10.宛名 返信

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