くずし字で楽しむ江戸時代

古文書ネット

  1. HOME
  2. 解読講座
  3. 旅行用心集

旅行用心集15

疲れや足が痛い時に効くツボ

疲れや足が痛い時に効くツボを、江戸時代の旅行マニュアルから紐解きます。

史料

疲れや足が痛い時に効くツボ

※無断転載禁止

注意:1~6の番号は当サイトが付した。

解読文

原文

  1. 此図(このづ)の外に草臥(くたびれ)足痛(そくつう)の灸所多し、試(ころ)み、覚へてよき所ともへはすへべし、然共わらじ脚半等にてすれる所は用心あるべし
  2. 三里、膝の下三外(そと)のかと
  3. 承山(じやうざん)、俗(ぞく)にかこかき三里といふ
  4. 足のふくらはきの図
  5. 承山(じやうざん):両足をつま立ればふくらはきへ山のかたち出る也、その山の下を承山としるへし
  6. 通谷(つうこく):足(あし)の小(こ)ゆひのよこのくほみたる所なり、くたびれよく直也

現代語訳

  1. この図のほかに疲れ、足の痛みに灸をすえて効き目のある場所多し。試みてよいと感じた所にすえるべし。しかしながら、わらじや脚半(きゃはん:旅行・作業などに、すねに着けてた布)等にて、こすれる所は用心あるべし。
  2. 三里(さんり・灸点の一。足三里ともいう)は、膝下三寸(約9センチ)の外側の角にある。
  3. 承山(しょうざん)は、俗に駕籠かき(駕籠を担いで人を運ぶ職業の人)三里という。
  4. 足のふくらはぎの図
  5. 承山:両足で爪先立ちすると、ふくらはぎが山のかたちになって出る。その山の下を承山と知るべし。
  6. 通谷(つうこく):足の小指の横のくぼんでいる所。疲れがよく直る。

MEMO

史料は(旅行の際)疲れや足が痛い時に、効果のあるツボとして、三里(さんり)、承山(しょうざん)、通谷(つうこく)の三つを紹介。お疲れの時は試してみてください。

史料情報

  • 表題:旅行用心集/文化7(1810)
  • 八隅芦庵 著、彫工:佐脇庄兵衛・同 伊三郎、出版元:須原屋茂兵衛・須原屋伊八
  • 埼玉県立文書館寄託 小室家文書3361
  • 当サイトは同館から掲載許可を頂いてます。
  • ※無断転載を禁止します。

旅行用心集

1.概要 2.東海道 木曽路・3.そのⅡ 4.旅の前日 5.持ち物

6.チェックイン・7.アウト 8.食べ物 9.毒虫 10.ソリ

11.雪かき道具 12.頭巾、帽子 13.履物・14.かんじき、下駄

15.足ツボ 16.必需品 17.スーツケース 18.日記の書き方

19.天気予報 20.白澤 21.旧国名地図

関連記事

勧化・旅僧/もしも江戸時代の人がコロナに遭遇したら